新華集団(香港)、ホーチミン市にイノベーションセンター開設

(ベトナム、香港)

ホーチミン発

2020年12月15日

香港に本拠を置く中国系企業の新華集団(Sunwah Group)は12月7日、同社のベトナム進出50周年記念式典に合わせ、ホーチミン市でイノベーションセンターを正式オープンした。同センターには、豊富なコワーキングスペースのほか、ブレーンストーミングや訪問者との面談が可能な会議室、スタイリッシュな休憩スペース、ハイスピードWi-Fiなどを備え付けている。

新華集団は1970年にベトナムで水産加工業を開始して以来、ベトナムの経済発展とともに不動産や金融など活動分野を多角化してきた。近年では、ベトナム国家大学で「Creative Ideas Contest」を開催するなど、ベトナムの若年層の起業活動を支援している。イノベーションセンターの開設はベトナム政府の呼びかけに応じたものだ。大学やインキュベーター、アクセラレーター、投資家などスタートアップのエコシステムの中核として発展することを目指す(注)。

新華集団の蔡冠深(ジョナサン・チョイ)主席は、ベトナムでグエン・フー・チョン書記長や、グエン・スアン・フック首相、グエン・ティ・キム・ガン国会議長と面談するなど、政府要人との関係を築いてきた。また、新型コロナウイルスやベトナム中部での洪水被害に寄付を行うなど、ベトナムで積極的に社会貢献活動も行ってきた。ベトナムでは、2019年に中国からの投資が急増し、一部の政府関係者からは警戒の声も上がっていた(2019年6月13日記事参照)が、今回の式典にはダン・ミン・コイ外務副大臣がビデオで祝辞を寄せ、「新華集団のベトナムでの成功はベトナムの対外開放政策の成功として評価できる。ビジネスのみならず、文化や教育、奉仕活動へも感謝を表したい」と述べた。

写真 コワーキングスペース(新華集団提供)

コワーキングスペース(新華集団提供)

写真 会議室(新華集団提供)

会議室(新華集団提供)

写真 休憩スペース(新華集団提供)

休憩スペース(新華集団提供)

(注)新華集団は既にイノベーションセンターを瀋陽、天津、無錫、北京に開設しており、ハノイ、カンボジア(プノンペン)、日本、カナダ、フランスなどにも展開する予定。

(比良井慎司)

(ベトナム、香港)

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