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米カリフォルニア州、冷媒に使用されるHFCに関する規制を決定

(米国)

ロサンゼルス発

2020年12月17日

米国カリフォルニア州大気資源委員会(California Air Resources Board:CARB)は12月10日、冷媒に使用される温室効果の高いHFC(ハイドロフルオロカーボン、いわゆる代替フロン)に関する規制を決定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

HFCは、二酸化炭素(CO2)と同様に、地球温暖化を促進する温室効果ガスとして位置付けられており、国際的には、オゾン層破壊物質の規制に関する取り決めであるモントリオール議定書のキガリ改正(注1)により、規制の対象となっている。米国は同議定書を批准していないものの、カリフォルニア州はモントリオール議定書を支持し、独自の規制を行っている。具体的には、2016年に成立した上院法案1383号(Senate Bill 1383)により、HFC排出を2030年までに2013年水準から40%削減することが決定されている。

CARBによる今回の規制では、冷凍機器に係る冷媒の地球温暖化係数(Global Warming Potential:GWP、注2)の上限については主に、次のとおり規定された。

  • 50ポンド(約23キロ)超の冷媒を使用する新規の冷凍機器(refrigeration systems、既存の産業用途の冷凍施設に利用されるチラーを除く):GWP 2,200(2022年初から)
  • 新規建設、全面改良、既存の施設のいずれかにおいて、チラーを利用する新規の産業用途の冷凍機器:最小蒸発温度によりGWP 750~2,200(2024年初から)
  • 空調機器用の新規のチラー:GWP 750(2024年初から)
  • 新規のスケート場(ice rinks)において、50ポンド超の冷媒を使用する新規の冷凍機器を使用する場合:GWP 150(2024年初から)
  • 既存のスケート場(ice rinks)において、50ポンド超の冷媒を使用する新規の冷凍機器を使用する場合:GWP 750(2024年初から)

またCARBは、定置型空調機器のうち、2023年1月1日以降に製造されるルームエアコンと除湿機については、GWPが750以下である冷媒の使用を義務付けた。一方、その他の空調機器については、次世代の冷媒に微燃性があり、利用に当たっては建築基準法(Building Code)の改定が必要となる点を踏まえ、住宅用と商業用の空調機器については2025年年初から、VRF(Variant Refrigerant Flow、ビル用マルチエアコン)については2026年年初から、それぞれ規制を開始する。2023、2024年にカリフォルニアに持ち込まれる空調機器については、R-410A冷媒の10%以上を回収し、利用することを義務付けた。また、CARBは、冷媒回収・リサイクル・再利用計画〔Refrigerant Recovery, Recycle, and Reuse (R4) Program〕を提案し、今後検討を進めるとしている。

HFCは、空調や冷凍倉庫などの冷媒として使用されており、日本が高い技術を有する分野だ。特にVRFは、部屋ごとに空調を制御できて、高い省エネ効果があり、CO2削減効果も高い。カリフォルニア州にとってもメリットのあるシステムなため、ジェトロでは、CARBによる今回の規制の検討に当たり、VRFシステムの有効性について書簡を提出している。

(注1)2016年10月にルワンダのキガリで開催された第28回締約国会合で、代替フロンを新たに規制対象物質として追加する改正提案が採択された。

(注2)GWPとは、CO2の温室効果を1とした場合に、同量のガスによる温室効果を倍数で示したもの。例えば、メタンの場合、GWPは25とされており、同量のCO2の25倍の温室効果を持つ。

(佐伯徳彦)

(米国)

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