9月の産業活動指数、前年同月比6.9%減、減少幅は1桁台に

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2020年12月01日

アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)は11月24日、9月の産業活動指数が前年同月比で6.9%減少したと発表した(添付資料図参照)。前月比では1.9%増(季節調整済み)となった。前年同月比では3月以降2桁台のマイナス成長が続いていたが、7カ月ぶりに1桁台にとどまった。産業活動が緩やかに回復していることがうかがえる。前月比でも5カ月連続のプラス成長となった。1~9月期では前年同期比11.9%減だった。

産業別にみると、調査対象の15業種のうち6業種で前年同月比プラスとなった。産業活動指数全体を特に押し上げたのは、商業(前年同月比5.8%増)と製造業(同2.2%増)だった。一方、特に押し下げたのは、運輸・通信(同19.0%減)、その他の個人・社会サービス(同50.0%減)だった(添付資料表参照)。

11月24日付の現地紙「エル・クロニスタ」(電子版)が紹介している複数のエコノミストらの分析では、5カ月連続で前月比プラス成長となったものの、新型コロナウイルス感染拡大以前の見通しを大きく下回っており、「年末にかけて産業活動の回復は勢いを失う」という見方と、現地通貨ペソの対ドルレートの下落や資本規制にもかかわらず産業活動は活発な回復を見せており、「今後数カ月間は緩やかな回復が見込まれる」といった見方もあるなど、評価は分かれている。同日付の現地紙「ラ・ナシオン」(電子版)は、10月は9月に比べてペソの対ドルレートの公定レートと非公式レートの乖離率が大きく、産業活動への影響を注視する必要があるとの識者の見方を紹介している。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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