10月の産業活動指数は前年同月比7.4%減、回復の勢い欠く

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2020年12月25日

アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)は12月23日、10月の産業活動指数が前年同月比で7.4%減少したと発表した(添付資料図参照)。前月比では1.9%増(季節調整済)となった。前年同月比では、3月から8月までは2桁台のマイナス成長が続いていたが、9月に続いて2カ月連続で1桁台にとどまった。前月比でも、6カ月連続のプラス成長となったが、伸び率は5~7月に比べて低く、産業活動の回復は勢いを欠いている。

産業別に前年同月比でみると、調査対象の15業種のうち、金融仲介業を除く全産業でマイナスとなった(添付資料表参照)。特に、運輸・通信(20.3%減)、ホテル・レストラン(54.5%減)が産業活動指数全体を押し下げた。

12月24日付の現地紙「ラ・ナシオン」(電子版)は、資本財などの輸入や、工業生産指数は減少、税収は増加など、産業活動指数に先行して公表された10月の経済指標は「まだら模様」だったが、10月の産業活動指数は「予想外に好調だった」との識者の見方を紹介している。11月の回復の見通しについても「10月と同水準かやや上向く」としている。

また、同日付の現地紙「アンビト」(電子版)は、10月は為替レートのボラティリティ(価格変動率)が増加したが、公定レートと並行レートの乖離、自国通貨ペソの下落観測により、生産の前倒しと在庫の積み増しにつながったとの識者の見方を伝えている。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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