IMF、2億7,820万ドルの引き出しを承認

(コートジボワール)

アビジャン発

2020年12月25日

IMF理事会は12月9日、コートジボワールに対する拡大信用ファシリティー(ECF)と拡大信用供与措置(EFF)の下での最終レビューを完了し、1億9,357万2,000SDR(IMFの特別引き出し権、約2億7,820万ドル)相当の第7・8トランシェ(分割融資)の資金引き出しを承認した(IMFプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

ECF/EFFは、2016年12月にIMF理事会が承認した3年間のプログラムで、融資額は8億9,670万ドルに上る。2019年12月に、プログラムの1年間延長に伴って2億7,820万ドルの追加融資を承認し、ECF/EFF枠内での融資額は計12億771万ドルとなった。

IMF理事会は、過去4年間の与信供与の下でコートジボワール経済のパフォーマンスが満足のいくものだと評価した。新型コロナウイルスの影響により2020年6月時点で、プログラムに導入された数多くの数値目標の達成が困難になったとしながらも、コートジボワールが前例のないパンデミックに厳正に対応しているとして、4年間にわたるECF/EFFの成果を強調した。コートジボワールは2019年末までの3年間のプログラムで、ほぼ全ての導入目標を達成しており、新型コロナ危機の前からの堅実なマクロ経済運営と、経済活動の相対的な多様化、新型コロナ禍における適切な時期の財政支出などにより、2020年にサブサハラ・アフリカでは数少ないプラス成長が見込まれるとしている。

一方、IMFは世界経済が徐々に回復することを前提に、2021年には同国の実質GDP成長率が6.5%と成長回復を予測しているが、下振れリスクも高いと指摘している。政府は、新型コロナウイルス対策の財政出動で増加した財政赤字を2023年までに、西アフリカ経済通貨同盟(UEMOA)地域の収斂(しゅうれん)基準であるGDP比3%以内にとどめることを目標としている。

(渡辺久美子)

(コートジボワール)

ビジネス短信 d2cba2c4b23e5426