タイ中銀、2021年の経済見通しを下方修正
(タイ)
バンコク発
2020年12月25日
タイ中央銀行(BOT)は12月23日、金融政策委員会を開催し、政策金利を現状の0.50%に据え置くと発表
した。タイ経済は回復傾向にあるものの、依然として不透明感が強い状態が続く、と指摘。今後、政策の余地を残すべく金利を据え置いた。金利の据え置きは5会合連続。加えて、2020年、2021年および2022年の経済見通しを公表した。
発表によると、BOTは2020年のGDP成長率予測を、9月時点での予測(マイナス7.8%)からマイナス6.6%へ上方修正した。上方修正の主な要因は個人消費と輸出の改善だ。
さらに、BOTは、2021年および2022年の経済見通しについても言及。2021年のGDP成長率予測を2020年9月時点での予測(プラス3.6%)からプラス3.2%へと下方修正した。加えて、2022年のGDP成長率予測をプラス4.8%とした。
今後の経済の回復については、短期的には、不確実性が強い中で新型コロナウイルスの感染拡大をいかに抑制するか。長期的には、早期の外国人旅行者の受け入れ、新型コロナウイルスのワクチンの有効性や普及状況、失業率が高止まっている労働市場の改善などが必要、との見解を示した。
BOTは、今後についても、通貨バーツ高を注視しつつ現在の低金利政策を継続する、とした。経済の下支えを行うとともに、必要となればさらなる緩和的措置の可能性についても言及した。
(岡本泰)
(タイ)
ビジネス短信 d035fbc3aa42ebeb




閉じる
