世界銀行、ミャンマーの2019/2020年度経済成長率は1.7%と発表

(ミャンマー)

アジア大洋州課

2020年12月21日

世界銀行は12月16日、ミャンマー経済モニター(Myanmar Economic Monitor外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を公開し、ミャンマーの2019/2020年度(2019年10月~2020年9月)の経済成長率(推計値)が前年度の6.8%から大きく落ち込み、1.7%だったと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大やそれに伴う移動制限措置により、消費や投資が冷え込み、ビジネス活動や原材料・労働力の供給が停滞したことが影響した。

同報告書は、8月下旬からの第2波において講じられた自宅待機措置は、第1波の時よりも深刻な影響を経済に与えたと分析。特に経済の3分の1を占める製造や建設の分野が、サプライチェーンの寸断、工場の閉鎖、国内外の需要の減退の影響を大きく受け、1.3%の成長にとどまった。10月に実施された調査の結果によると、新型コロナウイルスの影響について、87%の企業が操業へのマイナスの影響があると回答し、ほぼ全ての企業が売り上げ減少と回答した。一方、eコマースなどデジタルプラットフォームを活用して、移動制限措置の影響をうまく乗り切ることができたビジネスもあった。

2020/2021年度の経済成長率については、継続する感染拡大の影響を考慮し、2.0%との予測を発表した。現在の移動制限措置が徐々に緩和されてきており、2021年3月ごろから経済はゆっくりと回復すると分析している。中期的な成長の見通しについては明るく、工業団地・都市開発などの新規建設投資、道路交通・通信インフラの発展、電気・エネルギー分野、製造業の復活、デジタル技術を活用した生産性の向上などに支えられ、平均7%台の成長率まで回復すると予測した。ただし、新型コロナウイルス感染拡大の見通しが世界的に不透明なことや自然災害の発生、新政権による改革の動向の不確実さなど、成長を押し下げるリスクも引き続き高い、としている。

(菊池芙美子)

(ミャンマー)

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