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ウイルス変異種拡大受け英仏間で物流停止、英国政財界に危機感

(英国、フランス)

ロンドン発

2020年12月21日

英国で広がる新型コロナウイルスの変異種に警戒を強める欧州各国は、相次いで英国との往来禁止に踏み切っている。BBCなどによると、12月20日夜までにオランダ、ドイツ、フランス、イタリア、ベルギー、アイルランド、スイスなどが渡航禁止などの措置を表明。フランスは21日午前0時(英国時間20日午後11時)から48時間、英国との交通を全面的に遮断した。

フランスの措置には貨物輸送車両なども対象になるため、英仏海峡トンネルの英国側フォークストン・ターミナルやドーバー港も、12月20日夜半から車両通行やトラック運搬フェリーの航行を停止した。これらの物流拠点や他の英国主要港では、クリスマス期の貨物増に加え、英国のEU離脱(ブレグジット)に伴う移行期間終了に備えた在庫積み増しや駆け込み販売で既に激しい渋滞が発生しており(2020年12月11日記事参照)、関係者らは今回のフランス政府の措置が物流混乱に拍車をかけることを強く懸念している。食品飲料連盟(FDF)のイアン・ライト最高経営責任者は20日夜、「クリスマス期の英国内の生鮮食品供給と英国産食品・飲料の輸出に深刻な混乱を与えかねない」とコメント。「輸送車両を渡航禁止措置の例外にするよう、政府は直ちに仏政府を説得すべき」と続け、危機感を示した。

グラント・シャップス交通相は12月20日夜、これらの物流の要所が立地するケント州周辺で「著しい混乱が予想される」として、トラック運送業者などに周辺地域への立ち入りなどを控えるよう注意を喚起。「交通省はハイウェイズ・イングランド(交通管理局)、ケント州自治体(郡評議会)と緊急時対応について急ぎ作業を進めている」とツイートした。英国政府は12月21日朝に危機管理委員会(COBRA会議)を開催し、対策を協議する見込みだ。

欧州議会が12月20日中の決着を求めた(2020年12月18日記事参照)英EU間の将来関係交渉はなお結論が出ず、21日も協議が続く。英国商業会議所(BCC)のアダム・マーシャル事務局長は20日夜、今回の物流懸念について「極めて憂慮すべき出来事で、英国の事業者と消費者にとってのシームレスな物流の重要性をあらためて示している」とツイート。「この問題も英EU交渉も解決されなければならない。(移行期間終了まで)わずか11日しかないのに、企業はいまだ1月1日から直面する通商条件について知らされていない」と続け、不満をあらわにした。

(宮崎拓)

(英国、フランス)

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