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一般特恵関税制度(GSP)ほか関税措置の一部が2020年末で失効の見通し

(米国)

ニューヨーク発

2020年12月25日

米国税関国境保護局(CBP)は12月21日、開発途上国向けに輸入関税を一部免除する一般特恵関税制度(GSP)が同月31日で失効するとの事前通告外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。連邦議会の立法措置がない限り、GSPは更新されない。また同様に、国内の要望に基づく原材料の関税引き下げ措置である「2018年諸関税法(MTB)」も2020年末で失効する。いずれも年内の更新見込みは低く、産業界は2021年早期の立法措置を議会に求めている。

GSP(注1)が失効した場合、GSPの対象製品には2021年1月1日から、輸入時に最恵国待遇(MFN)税率が適用される。ただしCBPは、GSPが今後更新された場合に遡及(そきゅう)適用による関税の払い戻し制度が盛り込まれることを想定し、失効後もGSP対象であることを輸入手続き時に明記するよう輸入者に促している。前回2018年にGSPが更新された際にも、GSPはそれまで数カ月間一時失効していたが、更新時には失効期間に支払った関税を払い戻す申請を受け付けるルールが定められている。

GSP更新をめぐっては、共和党のチャック・グラスリー上院財政委員長(アイオワ州)が2022年4月末まで期限を延長する法案を提示したのに対し、民主党のアール・ブルメナウアー下院貿易小委員長(オレゴン州)が6カ月の延長とともに、GSP対象国の資格要件として人権尊重や環境保護を追加するよう求めたことで、議論が対立している。

MTBは、米国製造業の競争力強化を目的に、米国で生産していない原料や中間財の輸入関税を削減または撤廃する制度(2018年9月18日記事参照)で、現在1,662品目(HTS8桁ベース)に適用されている(注2)。米国際貿易委員会(ITC)はMTB更新に向けて、関税引き下げ・撤廃を求める企業・団体から3,442件の申請をまとめ、2020年8月に議会に報告していたが、現時点で法制化のめどは立っていない。

米商工会議所は、新型コロナウイルス対策を含む歳出法案(2020年12月24日記事参照)に、GSPとMTBの更新を盛り込むよう議会に呼び掛けていた。歳出法案に更新条項が盛り込まれなかったことで、2020年内更新の可能性は低く、米国企業・業界団体から組織される「GSP連合」は、2021年1月3日に招集される新議会に速やかな更新を求める声明を出している。

(注1)GSP対象国・地域は、米国関税率表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの注釈4(General Note 4)に記載。4(a)ではGSP対象国・地域、4(b)では後発開発途上国、4(d)ではGSP対象外となる品目と原産国・地域のリストを掲載。GSP税率は、「特別税率(Rate of Duty:Special)」欄の特別プログラム表示(SPI)が「A」「A+」「A*」の3種類で表示されているものに該当。

  • 「A」:全GSP対象国・地域
  • 「A+」:後発開発途上国からの輸入製品が対象
  • 「A*」:GSP対象国・地域のうち、4(d)に掲載されている品目と原産国・地域を特恵の対象外としている

(注2)具体的な対象品目は、米国関税率表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますのHS9902項で確認が可能。

(藪恭兵)

(米国)

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