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2021年のGDP成長率予測は6.8%、EU復興基金も押し上げ要因に

(スペイン)

マドリード発

2020年12月28日

スペイン中央銀行は12月11日、マクロ経済予測PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。今後数カ月は、現状レベルの感染再拡大・制限措置と、ワクチン普及が並行する状況を想定したベースラインシナリオ(注)で、2021年の実質GDP成長率を6.8%、2022年を4.2%とした。新型コロナウイルス感染拡大の打撃を受けた2020年については、秋からの感染第2波の影響が見通せないものの、マイナス11.1%と予測した(添付資料表参照)。

2021年以降は、ワクチン接種が視野に入り、平常化に向けた見通しが開けたことで、前回2020年9月の成長率予測(2021年は4.1%)よりも経済回復のスピードが速まるとした。ベースラインシナリオでは、新型コロナウイルス感染症発生以前の経済規模に回復するのは2023年半ばと予測している。

ただし、今後の感染再拡大や封じ込め策、ワクチンの普及など医療関連施策の展開度合い、EU復興基金の執行度、さらに英国のEU離脱(ブレグジット)による移行期間終了や米国新政権の通商政策など、不確定要素が依然多く、GDPは上記予測からぶれが生じる可能性があるとしている。

EU復興基金がGDPを1.3ポイント押し上げへ

2021年の回復は、内需主導となる見通し。民間最終消費支出は7.2%増となり、「新型コロナウイルス」下の移動・営業制限や、労働市場の悪化による一部での所得減少により、抑制されていた個人消費が回復し始め、2022年には新型コロナウイルス感染症発生以前の水準に戻るとみられる。

総固定資本形成については、新型コロナウイルス感染症の影響下ではホテル・飲食業や輸送、娯楽産業を中心に、需要減による稼動率・収益減少や、先行き不透明により、投資が大幅に落ち込んだが、2021年はEU復興基金による公共事業の牽引もあり10.2%増と力強く回復する見込み。

輸出については、通貨ユーロ高やブレグジット後の通商交渉の難航の影響を受け、新コロナウイルス感染症発生以前の水準への回復は2024年以降になる可能性が高いとみている。観光業は、ワクチン接種が十分進展しない限り、特にインバウンド観光の早期回復は見込めないとしている。貿易黒字の最大要因となる観光業の回復の遅れは、雇用にも影響を及ぼす。一時帰休給付制度などの政府の支援では支えきれなくなり、2021年は失業率が18.3%まで上昇(2019年比4.2ポイント増)する見通し。

なお、政府見通しでは、2021年の成長率は9.8%とされ、中銀よりも大幅に楽観的となっている。この一因には、EU復興基金の執行ペースの見通しの差もあり、政府は執行率80%、2ポイント以上のGDP押し上げを見込む一方、中銀は、執行率は60%以下でGDPの押し上げ幅は1.3ポイントにとどまるとみている。

(注)新型コロナウイルス感染症の影響に応じて、「軽度」「ベースライン」「重度」のシナリオ別に予測。

(伊藤裕規子)

(スペイン)

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