国務院、人身保険の拡充および品質向上の方針を発表

(中国)

北京発

2020年12月18日

中国の李克強首相は12月9日の国務院常務会議外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、保険市場の現状について「商業人身保険商品の供給が不足し、保障レベルが高くない」と分析した上で、国民の多様化した健康、養老、安全に対するニーズに応えるために、人身保険の拡充および保険品質の向上を図る方針を発表した。

高齢者のニーズに合った商業医療保険開発を支持、新業態向け保険の開発を奨励

具体的には、重大疾病に対応する保険商品、高齢者のニーズと支払い能力に適応した商業医療保険の開発を支持し、既存の基本医療保険制度を補完するものとして整備し、医療保険の保障能力を高める。

また、保険分野における対外開放および国際協力を拡大し、健康保険の発展およびサービスのレベルの向上を促進する。さらに、新業態の業種で働く従業員や非正規雇用労働者に対応した商品の開発、年金式保険の発展、保険会社による高齢者向けの養老介護関連サービスの提供などを奨励する。

同時に、保険資金運用における投機化を抑制し、資産と負債およびリスクの管理を強化し、インフラ整備や新型都市化などの重大プロジェクトへの参与など、実体経済の支援につながる資金運用を行うよう保険会社に働き掛け、資金の流用や詐取、横領などの不正行為に対する罰則を強化するとした。

中国銀行保険監督管理委員会の黄洪副主席は「商業健康保険は医療保障システムの不可欠で重要な構成部分だ」と評価し、「企業や個人の商業健康保険への参入は、政府投資の負担軽減と財政に対する圧力の緩和につながり、医療保険システムの安定性・持続可能性の確保にもつながる。商業健康保険は基本医療保険を補完するものとして、国民の多層化・多様化している健康保障ニーズに応えることができる」との見方を示した。

(趙薇)

(中国)

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