新たな首相令を発表、夜間外出制限や飲食店の営業時間制限を継続

(イタリア)

ミラノ発

2020年12月10日

イタリア政府は12月3日、新型コロナウイルス感染防止に伴う新たな首相令を発表した。全土で午後10時から翌日午前5時までの外出制限や、飲食店の営業時間制限など、おおむねこれまでの措置を継続するかたちとなるが(2020年11月6日記事参照)、年末年始の休暇シーズンについては下記のとおり、追加的な措置を取る。この首相令は2021年1月15日まで有効。

  • 12月31日午後10時から2021年1月1日午前7時までの間は、立証される仕事上の理由、あるいは健康上の理由など必要性がある場合の移動に限る。
  • 12月21日から2021年1月6日にかけては、イタリア全土で州あるいは自治県をまたぐ移動を禁止する。12月25、26日と2021年1月1日は自治体(コムーネ)間の移動も禁止する。
  • 2021年1月6日まで、小売店は午後9時まで営業することができる(購入客の混雑回避のため)。

なお、11月から導入された感染リスクの度合いに応じた地域ごとの規制も引き続き維持する。リスクが高い順にレッド、オレンジ、イエローに分類しており、レッドとオレンジについては追加的な措置を施行している(2020年11月6日記事参照)が、12月6日時点でレッドはアブルッツォ州のみ、オレンジはロンバルディア州を含む7州1自治県となっている。

飲食業界からは反発の声

今回の首相令により、イエローゾーンでは飲食店の営業時間は引き続き午前5時から午後6時までに制限されることとなったが(注)、クリスマス休暇シーズンを含む12月は飲食業界にとっては書き入れ時であり、規制措置による経営への打撃は大きい。飲食業界団体のイタリア飲食業連盟(FIPE)は11月28日、新たな首相令で再び営業時間制限が敷かれる見込みであることを受けてプレスリリースを発表。「12月は他の月とは異なり、売り上げは単月で79億ユーロに上る。これは年間売上の20%に当たる」としており、規制緩和あるいは営業制限を受けての資金的支援の必要性を訴えている。

(注)オレンジおよびレッドゾーンでは原則営業不可となっている。

(山崎杏奈)

(イタリア)

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