米商務省、移動式クレーン輸入に対する232条調査の打ち切りを正式発表

(米国)

ニューヨーク発

2020年12月21日

米商務省・産業安全保障局(BIS)は12月18日、移動式クレーンの輸入について、1962年通商拡大法232条に基づく調査を打ち切ったことを官報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで発表した。調査は11月23日時点で打ち切られており、232条による輸入制限措置が取られる懸念が払拭(ふっしょく)された。

本調査は、移動式クレーンを国内で製造するマニトワック(本社:ウィスコンシン州)の申請により2020年5月19日に開始され、BISは同月26日からパブリックコメントを募集していた(2020年5月25日記事参照)。7月までに集まったパブコメは81件に上り、米国のクレーン会社や外国政府(日本、カナダ)などが、移動式クレーンは大半が米国の同盟国から輸入されており、安全保障上の脅威には当たらないとの意見を提出していた(通商専門誌「インサイドUSトレード」12月4日)。

BISは、12月4日時点で調査を打ち切る声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表しており、マニトワック側から新型コロナウイルスの影響による経済環境の変化を理由に、申請の撤回と調査終了の要望があったことを明らかにしている。ウィルバー・ロス商務長官は、マニトワックの申請を検討した上で、調査を打ち切ることが適切と判断した、と説明している。

(藪恭兵)

(米国)

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