政府は各種制限措置を12月15日まで再延長すると発表

(ミャンマー)

ヤンゴン発

2020年12月02日

ミャンマーの新型コロナウイルス予防・制御・治療国家中央委員会は11月28日、外出時のマスク着用義務や、午前0~4時の夜間外出禁止、集会の禁止、入国ビザの発給停止などの各種制限措置について、これまで緩和された措置を除いて、その期限を11月30日から12月15日まで延長すると発表した。また、国際旅客機の乗り入れについては、12月31日まで延長されている。

保健・スポーツ省の発表によると、11月29日までの新型コロナウイルス感染者数は累計8万9,486人、回復者は累計6万8,910人、死者は1,918人、総検体数は114万7,841人となっている。1日当たりの感染者数は、ここ数日は約1,200~1,700人と依然として高い水準で推移している。

ミャンマー政府は、新型コロナウイルス第2波が到来した8月中旬以降、ヤンゴン管区のほぼ全域で、自宅待機措置や一部業種を除いた通勤禁止措置など厳格な移動制限を実施していたが、10月上旬には、委託加工形態のCMP(Cutting, Making and Packing)企業、事業所および中小零細企業の通勤禁止措置を解除した。10月下旬には、全業種において、感染予防ガイドラインを満たした対策を講じ、当局の承認を得れば、自宅待機措置を命じられていた地域の居住者の通勤も認められることとなった。

最大都市ヤンゴンでは、交通量や街中・ショッピングモールなどにおける人出も次第に増加しつつある。また、11月8日に実施された総選挙後、各地で有権者による政権与党・国民民主連盟(NLD)の圧勝を祝う大規模集会が開催されたことなどにより、今後の感染者の増加が懸念されている。しかし政府は、経済活動を維持するため、さらなる規制強化には踏み切っておらず、従来の自宅待機措置の徹底を促している。

(細沼慶介)

(ミャンマー)

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