英EU交渉めぐりブリュッセルで首脳会談、13日の決着目指し交渉続行へ

(英国、EU)

ロンドン発

2020年12月10日

英国のボリス・ジョンソン首相は12月9日夜、山場を迎えている英国とEUの将来関係交渉の打開を図るため、ブリュッセルを訪問(2020年12月8日記事参照)。欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長と3時間以上にわたって詰めの協議を行った。しかし、決着はつかず、双方の交渉団による協議をさらに続行し、13日の日曜日までに判断をすることとなった。

首脳会談を終えて英首相官邸は声明を発表。交渉の現状について率直に議論した結果、状況が極めて厳しく、なお重大な相違が残っていることを両首脳が認めたことを明らかにした。その上で両者は、双方の交渉団が今後さらに協議を続け、「協議の行く末について日曜日(13日)までに確たる決定をする」ことで一致したと続けた。ジョンソン首相は、公正な合意を実現する方策は全て追求する決意だと述べつつ、協定は英国の独立性と主権を尊重するものでなければならないと強調。溝が埋まらない政府補助金問題などの「公正な競争条件(レベルプレイングフィールド)」と「漁業」、紛争解決など「ガバナンス」の3分野の詰めの協議でも、安易な妥協はしない考えをあらためて示した。

フォン・デア・ライエン委員長も声明を発表。交渉での未解決事項の現状について「活発で興味深い議論を行った」と述べる一方、「互いの立ち位置を明確に理解したが、なお大きな隔たりがある」と続けた。

協議には、英国のデービッド・フロスト氏とEUのミシェル・バルニエ氏の両首席交渉官も参加。両氏が率いる交渉団は10日に協議を再開し、決着を目指す。

(宮崎拓)

(英国、EU)

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