2020年10月の失業率、EUで横ばい、ユーロ圏で0.1ポイント改善

(EU、ユーロ圏)

ブリュッセル発

2020年12月09日

EU統計局(ユーロスタット)の12月2日の発表によると、2020年10月のEU27カ国全体の失業率(季節調整済み)は前月から横ばいで7.6%、ユーロ圏19カ国では0.1ポイント改善の8.4%だった(添付資料表参照)。

2020年10月の失業率を加盟国別にみると、チェコが2.9%と最も低く、スペインが16.2%と最も高かった(ただし、最新データが未発表のギリシャは2020年8月時点で16.8%)。

失業率が前月から悪化した加盟国は、キプロス(1.2ポイント増)、スロベニア(0.2ポイント増)、スロバキア(0.2ポイント増)、ルーマニア(0.2ポイント増)、イタリア(0.1ポイント増)、チェコ(0.1ポイント増)、ポーランド(0.1ポイント増)の7カ国だった。他方、12の加盟国では前月比で失業率が改善し、中でもブルガリアとポルトガルではそれぞれ0.5ポイント、0.4ポイント改善した。

また、10月のEU27国の失業者数は1,623万6,000人で、前月比9万1,000人減、そのうちユーロ圏は1,382万5,000人で、8万6,000人の減少となった。同月の若年層の失業者数は311万5,000人で、このうち255万1,000人がユーロ圏19カ国の失業者だった。若年層の失業者数の変化を前月比でみると、EU27カ国では4万6,000人の増加、ユーロ圏では2万9,000人の増加となった。

加盟国別にみると、スペイン(62万7,000人、若年層失業率:40.4%)、フランス(60万6,000人、20.7%)、イタリア(42万2,000人、30.3%)が引き続き大部分を占めた。スペインとイタリアでは、若年層失業率が前月からそれぞれ0.2ポイント、0.6ポイント悪化した。若年層失業率が最も低かったのはドイツ(6.0%)で、最も高かったのはスペイン(40.4%)だった。

なお、ユーロスタットによると、新型コロナウイルスに関連した制限措置を受けて、失業手当の申請件数が急激に増加した(注)。

(注)新型コロナ危機がEU労働市場に及ぼした影響の詳細は、2020年第2四半期の「労働力調査(LFS)」も参照のこと(2020年10月14日記事参照)。

(大中登紀子)

(EU、ユーロ圏)

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