国境封鎖を発表、新型コロナ変異種と周辺国の感染急増を懸念

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2020年12月25日

アルゼンチン政府は12月24日、行政決議2252/2020号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに基づき、12月25日午前0時から2021年1月9日午前0時まで、英国、オーストラリア、デンマーク、イタリア、オランダからの直行便の運航停止を発表した。英国における、新型コロナウイルス変異種による感染拡大を受けての措置とした。

同時に、アルゼンチンと国境を接するブラジル、ウルグアイ、パラグアイ、ボリビア、チリの居住者(国籍を問わず)の観光目的の入国を認める決議の効力を停止した。政府は2020年10月29日付でパイロットプランとして入国制限を緩和していたが(2020年11月2日記事参照)、今回の決定は、特にウルグアイ、ボリビア、ブラジルで急速な感染拡大が確認されているためだ。また、フエゴ島以外の陸上国境を封鎖した。

非居住者外国人のアルゼンチンへの入国は原則禁止だが、アルゼンチン人およびアルゼンチンに居住する外国人の入国には、PCR検査の陰性証明書の提出および7日間の強制隔離が求められる。陰性証明書を持参しない明確な理由がある場合、エセイサ国際空港で検査を受けることができる。例外として入国が認められる外国人は、特別な衛生手順書に沿った運送業者および乗員、移民局から許可を得てPCR検査の陰性証明書および新型コロナウイルス感染症をカバーする医療保険に加入した外交官、ビジネスパーソン、スポーツイベントに参加する者、国内にアルゼンチン人または居住者の親族・家族がいる者。

移民局は「アルゼンチンからの出国は許可されているが、世界的に感染が拡大する中、関連措置は5分おきに変更している。そんな中で、バケーション目的でブラジルや米国に渡っている者が多いが、帰れなくなったら、それは独自の責任」と主張している(現地紙「インフォバエ」12月24日)。

他方、政府は12月23日、ロシア製ワクチン「スプートニクV」の緊急使用を承認し、30万回接種分のワクチンが24日に到着した。政府は、医療従事者への接種を優先して行うべく、直ちに手続きを開始した。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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