第3四半期の完全失業率は11.7%と高止まり

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2020年12月22日

アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)は12月17日、2020年第3四半期の世帯アンケート調査(EPH)の結果を発表した。同調査によると、第3四半期の完全失業率は11.7%で、前年同期比2.0ポイント増、前期比1.4ポイント減となった(添付資料表参照)。第3四半期は経済活動や行動規制が緩和されたが、完全失業率は高止まりした。

完全失業率を男女別、年齢階層別にみると、14歳から29歳までの女性が23.1%と最も高く、次いで同世代の男性が19.8%となっている。求職期間をみると、3カ月から6カ月が35.4%と、前回調査に比べて長期化しており、新型コロナウイルス感染症のまん延による長期間のロックダウンの影響を受けていることが分かる。

12月17日付の現地紙「ラ・ナシオン」電子版によると、第3四半期に入り経済活動を再開できたのは、多くは自営業者だったことから労働市場の厳しい状況が続いた自営業者や非正規労働者は上向いたが、給与所得者の雇用は回復していないとの識者の見方を紹介している。

全人口に占める労働力人口(就業者と失業者の合計)の割合は、第2四半期が38.4%、第3四半期が42.3%と、いずれも新型コロナ感染拡大以前に比べて大きく低下している。

12月17日付の現地紙「エル・クロニスタ」電子版は、新型コロナウイルス感染拡大により求職そのものをやめる動きが広がったため、労働力人口が大きく減少しており、実際の失業率は第2四半期が約30%、第3四半期が20.6%に達するとの識者の見方を紹介した。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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