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2050年温室効果ガス純排出ゼロに向けエネルギー白書公表

(英国)

ロンドン発

2020年12月18日

英国政府は12月14日、「グリーン産業革命」の10項目の計画(2020年11月20日記事参照)に基づくエネルギー白書(Powering our net zero future外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を公表した。

これは、2050年までに温室効果ガス(GHG)純排出ゼロ(注)の目標実現に至るためのエネルギーシステムに関する長期戦略ビジョンで、今後10年で産業、運輸、建物の分野で二酸化炭素(CO2)換算で2億3,000万トンの排出量を削減するための方針や施策を示している。また、グリーンに関連する雇用を支援することで、最大22万人の雇用を創出するとしている。

白書では、EU離脱の移行期間終了後に現在の欧州排出権取引制度(EU−ETS)に代わる英国排出権取引制度(UK-ETS)(2020年6月8日記事参照)を2021年1月1日から導入、低炭素技術に必要な投資を促すとしている。UK-ETSは、EU−ETSよりも排出枠を5%引き下げるなど、より野心的な内容となっている。

また、電気自動車(EV)の普及や暖房の電化などを通じ、2050年の電力需要は2020年の2倍程度になることを想定。これにより、最終エネルギー消費に占める電力の割合は、2019年の17%から2050年には50%以上に増加する可能性があり、クリーン発電の量を4倍に増やす必要があるとしている。

さらに、石炭火力発電所の廃止の繰り上げ(現行の2025年から2024年10月1日に)について意見公募を開始、2021年春に先進的なエネルギーに関するデジタルインフラを構築すべく、ガス・電力市場局(Ofgem)と共同で「エネルギーデータ戦略」を発表するとした。

このほか、エネルギー小売市場の競争促進による公正なエネルギー価格の維持や、新築住宅のエネルギー効率基準の確立、住宅のエネルギー性能改善のための規制措置に関する協議の実施など需要側の対策も盛り込んでいる。

サイズウェルC原子力プロジェクトの交渉を開始

政府はエネルギー白書の公表と同じ14日、フランス電力大手EDFがイングランド東部サフォーク州で計画中の新規原子力発電所のサイズウェルC原子力プロジェクトにつき、資金調達に関する交渉の開始を発表した。政府は長期的に民間投資を集めやすくすることで調達コストを抑え、消費者への電気料金の引き下げにつながる可能性がある規制資産ベース(RAB)モデルが大規模プロジェクトの資金提供の信頼できる基盤としつつ、他の資金調達モデルも引き続き検討するとしている。政府は「グリーン産業革命」の中でクリーンエネルギー源として原子力を推進するとしており、小型モジュール炉や先進技術を含むさらなるプロジェクトの提案について、新たな原子力市場のデベロッパーとともに引き続き取り組むとしている。

(注)人間の活動によって排出される温室効果ガス(GHG)の量を森林などで吸収されるレベルにまで抑えること。

(宮口祐貴)

(英国)

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