感染拡大止まらず、2021年1月10日まで部分的ロックダウンを再延長

(ドイツ)

ベルリン発

2020年12月07日

ドイツのアンゲラ・メルケル首相は12月2日、定例の各州首相との協議を行い、新型コロナウイルス感染拡大抑止のための部分的ロックダウンについては12月20日から2021年1月10日まで再延長することで合意したと発表した。2020年11月25日に12月20日までの延長を決定(2020年12月2日記事参照)していたが、目標数値である過去7日間の人口10万人当たり新規感染者数50人未満とはかけ離れた数値であることから、2度目の延長となった。ロベルト・コッホ研究所によると、12月6日現在、ドイツ全土の過去7日間の人口10万人当たり新規感染者数は142人となっている。

メルケル首相は記者会見で、「可能な限り人との接触を避けてほしい」と強調、新規感染者数の指数関数的な上昇は抑制されているとしても、新規感染者数は高止まりしていると述べた。首相と各州首相は、1月4日に今回の再延長の評価および次の対応を協議する予定だ。

部分的ロックダウンが導入された際、閉鎖対象となる事業者向けに給付金などの支援策(2020年10月30日記事参照)が講じられている。ロックダウン期間が延長されたことで、これらの給付金や給付型つなぎ資金の支援策は拡張されており、連邦政府、州政府、地方自治体の適切な分担の在り方についても議論が行われた。

メルケル首相はさらに、各州政府が「ワクチン接種センター」の設置に尽力していることも称賛した。イェンス・シュパーン保健相は12月1日、全国53カ所に開所されるワクチン接種センターの1つ、デュッセルドルフのワクチン接種センターを訪問した。シュパーン保健相は「現時点でワクチン承認は年明け前後に期待できる。ワクチン接種に備え、あらゆるレベルで全力で取り組んでいる」と、ワクチン接種体制の順調な構築をアピールした。

(中村容子)

(ドイツ)

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