12月も部分的ロックダウンを継続、クリスマス期間は緩和

(ドイツ)

ベルリン発

2020年12月02日

アンゲラ・メルケル首相は11月25日、各州首相と協議し、11月2日から30日までのドイツ全土での追加制限措置(部分的ロックダウン)(2020年10月30日記事参照)を12月20日まで延長することで合意した。新型コロナウイルス感染者の増加に歯止めがかかっていないことから、感染拡大を抑制するための新たな措置も設けた。引き続き、感染経路特定が可能になる目安である、新規感染者数を過去7日間で人口10万人当たり50人未満の水準に戻すことを目標としている。クリスマスから年末年始にかけての特例措置も定めた。

○冬季期間中の新たな措置(12月1日~)

  • 友人、親戚および知人との私的な集まりは、自らの世帯ともう1世帯に属する者による最大5人までに制限(満14歳以下の子供は対象外で人数に算入しない)。
  • 国内日帰り旅行を含む不必要な出張や不要不急の私的旅行(特にスキーシーズンに際しての国外旅行)や訪問(親族訪問を含む)の自粛を要請。観光目的のホテルなどでの宿泊は不可。
  • 買い物:店舗面積に応じて、入店可能な人数を制限。
  • マスクの着用義務の拡大:公共の場所または訪問者や客が出入りする屋内空間、公共交通機関、市の中心部で人の往来がある全ての公共空間、屋外であっても混み合っているか常に人がいる公共空間では着用を義務付け。また小売店舗内に加え、店舗前と駐車場にも義務を拡大。職場にも適用されるが、1.5メートルの対人間隔が順守できる場所は除く。

○クリスマス期間中の特例措置(12月23日~2021年1月1日)

  • 集まりの最大人数は、家族または最も親しい友人との間の最大10人までに拡大(満14歳以下の子供は対象外で人数に算入しない)。
  • 年越し・大みそかのにぎわった場所や通りでの花火を禁止。それ以外の場所でも、総じて花火使用を控えることを推奨。
  • 雇用主には12月23日~2021年1月1日は休暇とするか、在宅勤務により会社を閉鎖しうるかの検討を強く要請。

なお、連邦議会(下院)および連邦参議院は11月18日、感染症防止法改正法案を可決し(即日施行)、新型コロナウイルス感染拡大防止のために連邦政府と州政府が決定する規制に関する法的根拠を整備した。これにより、新規感染者数の閾(いき)値(過去7日間の人口10万人当たりの新規感染者数50人)を基準にソーシャルディスタンス確保やイベント禁止などの制限措置の導入、特に集会や信教の自由制限、外出制限、介護施設訪問制限など基本法(憲法)で保障される活動に対する制限を設ける際の法的根拠が明確になった。

(中村容子)

(ドイツ)

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