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2019年の世界の特許出願件数は10年ぶりに減少

(世界)

国際経済課

2020年12月08日

世界知的所有権機関(WIPO)は12月7日、年次報告書「世界知的財産指標(World Intellectual Property Indicators)2020」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(プレスリリース)で、2019年の特許出願件数(注1)が前年比3.0%減の322万件だったと発表した。世界の特許出願件数が減少するのは、金融危機下の2009年以来10年ぶりとなる(注2)。

背景には、中国での特許出願件数が前年比9.2%減の140万件と減少したことがある。中国の特許出願件数は世界最大となっており、2019年の全世界の特許出願のうち43.4%を中国が占めた。WIPOは中国の特許出願件数減少について、「特許の質の改善などを目的とした中国国内での出願に対する規制強化の傾向を反映したもの」と指摘している。中国以外の上位国・地域の特許出願件数は、米国が4.1%増の62万件、日本が1.8%減の31万件、韓国が4.3%増の22万件、欧州(欧州特許庁、EPO)が4.1%増の18万件だった。

商標の出願件数は、区分数ベース(注3)で前年比5.9%増の1,515万件(推定値)となった。商標の出願件数は2009年以降10年連続で増加したが、2019年は前年(18.9%増)や2017年(30.2%増)に比べて伸び率が鈍化した。上位国の件数は、中国が6.4%増の783万件、米国が5.1%増の67万件、日本が6.7%増の55万件だった。

意匠は、出願件数ベースでは前年比1.7%増の104万件(推定値)、出願に含まれる意匠数ベースでは1.3%増の136万件(推定値)だった(注4)。上位国の件数は、意匠数ベースで中国が0.4%増の71万件、欧州(EU知的財産庁、EUIPO)が4.4%増の11万件、韓国が1.5%増の7万件だった。

このほか、世界の実用新案の出願数は前年比9.1%増の234万件、植物品種の出願件数は7.8%増の2万件だった。

WIPOのダレン・タン事務局長は、2019年の世界知的財産指標の数値は新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)発生以前のものではあるとしつつ、「新型コロナのパンデミックにより、日々の生活において新しい技術の導入が進み、デジタル化が加速された。このことが長期的な(知的財産権ツールの需要増加の)傾向を強めている」と指摘した。その上で、「知的財産権はテクノロジー、イノベーション、デジタル化と深くかかわっているため、ポスト新型コロナの世界において、多くの国にとってより重要になるだろう」と述べた。

(注1)各国・地域知財庁の特許受理数ベース、以下同様。

(注2)中国国家知識産権局(CNIPA)は2017年以降、特許、実用新案、意匠については出願料を支払った出願件数のみをカウントする方式に変更した。そのため、2016年以前と2017年以降の出願件数は厳密な比較ができない。

(注3)区分数は、商標出願で指定された区分の総数を示す。各国・地域の知財庁には、商標が適用される商品やサービスが属する区分ごとに個別の出願を要する場合(ブラジル、メキシコ、南アフリカ共和国など)と、複数の区分を1回の出願で申請できる場合(日本、韓国、米国など)がある。

(注4)意匠については、国際意匠制度(ハーグ協定)を活用した場合、1件の出願に最大100の意匠を含むことができる。

(柏瀬あすか)

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