条件付き移動制限令(CMCO)を一部地域で延長、制限内容は緩和

(マレーシア)

クアラルンプール発

2020年12月09日

マレーシアのイスマイル・サブリ防衛相は12月5日、条件付き移動制限令(Conditional Movement Control Order:CMCO)をクアラルンプール市とサバ州の全域、7州(注)の一部地域で、12月7日から20日まで実施することを発表した。CMCOは9月末以降の全国的な新型コロナウイルス感染拡大傾向に伴い、最大で9州・3連邦直轄地が対象となったが、12月7日以降は対象地域を限定し、制限内容も一部緩和した。CMCOが解除された地域は原則、回復移動制限令(RMCO)に戻る。

CMCO地域をまたぐ移動も可能に

イスマイル・サブリ防衛相はCMCO対象地域の削減や制限内容の緩和について、CMCOを継続した場合の1日当たりの経済損失が3億リンギ(約78億円、1リンギ=約26円)に上ることを指摘し、公衆衛生と経済への打撃のバランスを考慮した結果だと述べた(国営ベルナマ通信12月5日)。

国家安全保障委員会(NSC)が12月7日付で発表した標準手順書(SOP)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、国内移動や乗車人数、店内飲食などに関する一部の制限を緩和した。国内移動では、12月6日まではCMCO地域をまたぐ移動やCMCO地域内の地区間の移動は原則禁止で、業務と緊急事態に限り条件付きで可能だったが、7日以降はこの制限がなくなる。ただし、クラスター感染発生などの理由で感染リスクが高いと特定された地域に発令する、強化された移動制限令(Enhanced Movement Control Order: EMCO)対象地域をまたぐ移動は禁止する。1台当たりの乗車上限人数は、運転手を含む3人までから車の定員人数まで可能になり、店内飲食は1テーブル当たり4人までという人数制限がソーシャルディスタンスを取ることを条件に撤廃された。小売店やレストランの営業時間に変更はなく、午前0時までとなる。

CMCO対象地域で10月22日から導入された管理・事務部門に従事する従業員に対する在宅勤務措置も延長となる(2020年10月22日記事参照)。

(注)セランゴール州(3地区を除いて全域が対象)、ネグリ・センビラン州(2地区のみ対象)、ペナン州(2地区のみ対象)、ペラ州(2地区のみ対象)、ケダ州(1地区のみ対象)クランタン州(4地区のみ対象)、ジョホール州(4地区のみ対象)。

(田中麻理)

(マレーシア)

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