「条件付き移動制限令(CMCO)」対象地域所在の企業、管理・事務部門従業員は原則在宅勤務へ

(マレーシア)

クアラルンプール発

2020年10月22日

マレーシアのイスマイル・サブリ防衛相は10月20日、条件付き移動制限令(CMCO)を発令している地域に所在する省庁、企業において、管理・事務部門に従事する従業員を原則在宅勤務とすると発表した。経理などの一部の業務で、在宅勤務では対応できない場合には条件付きで出勤が許可される。10月22日時点でCMCOの対象地域は、セランゴール州、クアラルンプール市、プトラジャヤ市(10月27日まで)、サバ州(10月26日まで)、ラブアン(10月30日まで)となっている。

管理・事務部門は原則として在宅勤務に

同相は10月21日の記者会見において、今回の在宅勤務措置は、省庁などの公共部門および国際貿易産業省(MITI)が管轄する企業・事業所のみに適用する、とした。つまり、製造業、駐在員事務所など、MITIがライセンス認可を実施している企業が対象になる。小売業やレストランなどを含むサービス業については適用外となる(「ザ・スター」紙10月21日)。

なお、MITIが10月21日に発表した通達PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(注1)によると、具体的な在宅勤務措置は以下のとおり。

  • CMCO地域に所在する対象企業・事業所における管理・事務部門の従業員は原則在宅勤務とする。
  • 生産部門および生産に関わるサポート部門は、適用外。
  • 管理・事務部門のうち、経理、財務、総務、法務、企画、情報通信技術(ICT)に該当し、在宅勤務では対応できない業務は、管理・事務部門の全従業員数の10%までの人数を上限に出勤を認める。なお、出勤は、週3日、午前10時から午後2時までに制限する。
  • 出勤する従業員は、雇用者が発行した書状(従業員の氏名、身分証番号、会社住所、雇用者連絡先などを記載)を携行する。

また、保健省は、レッドゾーン(注2)に居住する従業員、感染の疑いや症状がある従業員には、PCR検査の実施を強く奨励している。

日系企業からは、人数制限や出勤が可能な業務の定義が曖昧など、発表内容が不透明であることに対して戸惑いの声が出ており、各社対応に追われている。10月21日の新規感染者数は732人で、10月17日以降、1日800人近い新規感染者が確認されている。

(注1)マレー語のみ。

(注2)過去14日間における感染者数が41人以上の地区をレッドゾーンと定義。

(田中麻理)

(マレーシア)

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