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連邦議会、ギー・パルムラン副大統領を新大統領に選出

(スイス)

ジュネーブ発

2020年12月14日

スイス連邦議会は12月9日、大統領選挙を実施し、ギー・パルムラン副大統領兼経済・教育・研究相が有効投票数202票のうち188票を獲得して新大統領に選出された。新副大統領にはイグナツィオ・カシス現外相が選出された。新しい正副大統領は2021年1月1日に就任する(注)。

パルムラン氏は国民党出身で2016年に入閣し、大統領を務めるのは初めてとなる。選挙後の演説で同氏は、種々の問題に対する認識を国民と共有するため、就任後に4つの言語圏(ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語)を訪ねて住民と対話を進めていく意向を明らかにした。

2021年はスイスの政治経済で重要な年となる。まずは、膠着(こうちゃく)状態が続いているEUとの制度的条約交渉への対応だ。同氏は大統領としてEUとの交渉を円滑に進める必要があるが、同氏の出身政党の国民党は締結に強く反対しており、EUとの「人の自由な移動」条約の破棄を求めるイニシアチブを提起していた。これが通れば、制度的条約の締結は不可能となるところだったが、2020年9月に否決されている(2020年10月1日記事参照)。

また、3月7日にはインドネシアとの経済連携協定(EPA)締結の可否を問う国民投票が予定されている。条約の内容にインドネシア産パーム油に対する最大35%の関税引き下げが盛り込まれていることが環境破壊やスイス産油の価格競争の不利益につながるとして、農業団体「ユニテール」がEPAの締結阻止を目的とし、EPA承認に関するレファレンダムを提起した。連邦参事会(内閣)と議会はEPAの締結推進を国民に呼びかけているが、レファレンダムが否決されEPA締結ができなくなった場合には、難しいかじ取りが迫られる。

現時点でのパルムラン氏の支持率は高いとは言えず、2019年6月に実施された閣僚支持率調査によると、回答者の66%が同氏について、リーダーシップがないと答えている。また、公用語の3カ国語(ドイツ語、フランス語、イタリア語)が流ちょうだった前任のシモネッタ・ソマルガ現大統領と異なり、フランス語圏出身の同氏は他の言語圏の言語が流ちょうでないこともしばしば指摘されている。

(注)スイスの大統領は、慣例的に閣僚7人のうち1人が1年ごとに交替で務める輪番制となっている。

(城倉ふみ、マリオ・マルケジニ)

(スイス)

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