連邦政府、新型コロナワクチンの接種を近日中に開始、1月には全国展開

(スイス)

ジュネーブ発

2020年12月24日

スイス連邦参事会(内閣)は12月22日、新型コロナウイルスのワクチン接種を近日中に開始する予定で、連邦保健局(FOPH)が24日から国民に向けたワクチン接種に関する大規模な啓発キャンペーンを実施すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

スイスの薬事当局であるスイスメディックが12月19日、米国のファイザーとドイツのビオンテックのグループのワクチンについて、通常の審査手続きとしては世界で初めて承認した。同グループは10月中旬に薬事承認を申請し、スイスメディックは安全性と効果、品質の3点から審査を行った。特に安全性については、承認後も引き続き注視していくとし、副反応が疑われた場合に医療従事者が情報提供するオンラインシステム(ELVIS)を運用して情報収集を行うとともに、ワクチンを接種された人に異常が見られた場合に医療機関を受診するようにアドバイスしていく。

これを受けて、各州ではワクチン接種や供給態勢の整備に取り掛かっている。第1段階として、12月中にも重症化リスクの高い脆弱(ぜいじゃく)な人々(ハイリスクグループ)への接種を開始し、2021年1月4日から医療従事者、ハイリスクグループの介助者や近接して生活する者、次に、年齢がさまざまで潜在的なクラスター発生リスクのある共同住宅の住人の順に接種していく。12月22日付の「NZZ」紙の報道によると、ルツェルン州など最も早くワクチン接種を開始する州で12月23日から、チューリッヒ州などでは2021年1月4日から、1月中には国内のほぼ全ての州で新型コロナウイルスのワクチン接種を開始する予定だ。

連邦政府は接種に関して、連邦保健局が立ち上げた新型コロナウイルスに関するウェブサイトにワクチンのページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを新たに設け、各州の問い合わせ・相談窓口の紹介やワクチンの安全性に関する情報提供などを行っている。

(和田恭)

(スイス)

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