EUの第3四半期GDP成長率、前期比11.5%の大幅回復

(EU、ユーロ圏、英国)

ブリュッセル発

2020年12月16日

EU統計局(ユーロスタット)は12月8日、2020年第3四半期(7~9月)のEUとユーロ圏の実質GDP成長率(前期比、季節調整済み)を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。多くの加盟国が実施した新型コロナウイルス感染に伴う制限措置の影響を受けて大きく落ち込んだ第2四半期(4~6月)から、統計が開始された1995年以来の大幅な回復となり、EU27カ国とユーロ圏19カ国の実質GDP成長率(季節調整済み)は前期比でそれぞれ11.5%、12.5%となった(添付資料表1、2参照)。前年同期比ではそれぞれマイナス4.2%、マイナス4.3%となり、新型コロナウイルスの感染拡大が始まる前の水準には戻っていない。

EUの実質GDP成長率(前期比)を需要項目別でみると、全ての項目で回復した。個人消費(寄与度:6.9ポイント)が前期比13.2%増、総固定資本形成(同2.5ポイント)が前期比11.7%増と大きく回復したほか、輸出17.2%増(同7.8ポイント)、輸入12.9%増(同マイナス5.6ポイント)となった。政府消費支出は前期比4.2%増(同1.0ポイント)となった。

国別でみると、データ発表済みの全ての国で前期比プラス成長となった(添付資料表2参照)。フランス(18.7%)が最も回復幅が大きく、最も成長率が低かった加盟国はギリシャ(2.3%)だった。スペイン(16.7%)、イタリア(15.9%)、ポルトガル(13.3%)、マルタ(12.7%)など、ユーロ圏19カ国のうち11カ国で10%を上回る成長率となった。1月末にEUを離脱した英国は15.5%を記録した。

(大中登紀子)

(EU、ユーロ圏、英国)

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