2019/2020年度の直接投資流入額、前年度比3.4%減

(エジプト)

カイロ発

2020年12月10日

エジプト中央銀行が12月5日に発表した月次統計報告10月号によると、2019/2020年度(2019年7月~2020年6月)の海外からの直接投資(FDI)流入額は158億ドルで、前年度比3.4%減となった。ただ、エジプトは近年、アフリカ最大の直接投資流入国で(2020年6月24日記事参照)、2019/2020年度も過去5年間では2番目の流入額となった。

【エジプトへの直接投資・流入額推移】

  • 2015/2016年度:125億ドル
  • 2016/2017年度:134億ドル
  • 2017/2018年度:132億ドル
  • 2018/2019年度:164億ドル
  • 2019/2020年度:158億ドル

英国からの投資は減少するも、イタリアやアラブ諸国、日本からは増加

2019/2020年度に直接投資が多かった上位5カ国は、英国47億ドル(前年度比25.6%減)、アラブ首長国連邦(UAE)16億ドル(同46.5%増)、ベルギー15億ドル(同32.5%減)、米国14億ドル(同5.8%減)、オランダ12億ドル(同79.3%増)だった。全体の約3割を占める英国が前年から大きく減少したのに対し、7位のイタリアは前年度比2.4倍となった。また、UAEのほか、6位のカタールが同77.8%増、10位のバーレーンが同68.7%増となり、アラブ諸国全体で15.1%増だった。日本からの投資は3,300万ドルで前年度比30.4%増となった。

なお、同報告によると、2020年第2四半期(4~6月)の直接投資流入額は前年同期比マイナス21.2%となった。同時期は新型コロナウイルス感染が拡大し、国際線の運航停止など各種規制が実施されており、経済活動が鈍化したものとみられる

(井澤壌士)

(エジプト)

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