成都市、新型コロナ症例発生で警戒感、市内5カ所を中リスク地に指定

(中国)

成都発

2020年12月15日

中国四川省成都市の中心から北西に位置する郫都区で12月7日以降、国内症例(輸入症例を除く)とみられる新コロナウイルス感染が相次ぎ報告されている。12月14日午前0時時点で、成都市の国内症例はいずれも同区の居住者13人(うち無症状感染者2人を含む)となっており、感染者の居住地や立ち寄り先など5カ所が中リスク地域に指定されている(添付資料表参照)。

感染者のうち1人は感染が確認される直前に市内中心部の複数の飲食店や酒場などを訪れていたことを受けて、成都市各区の感染対策当局は感染のさらなる拡大を警戒している。当該感染者の立ち寄り先と時間を公開して注意を呼び掛けるとともに、感染者の住む地域の住人や付近の工場、学校などの関係者、濃厚接触者、感染の可能性がある市民に対してPCR検査を実施し、12日までに217万人強が検査を受けた。

オフィスビルや商業施設など、市内各所では健康コードの提示と検温がこれまで以上に厳格化している。成都市娯楽産業協会は8日、娯楽施設に対して、防疫対策の徹底とともに、入場者数が定数の75%を超えないよう要請している。予定されていた各種イベントも中止が相次いでいるほか、繁華街でも人出が減少しており、商業施設や店舗などでは時短営業する動きも見られる。

日系企業も成都を出入りする出張を自粛する動きが拡大している。在重慶日本総領事館は11日、当地の在留邦人に配信した連絡メールで、中国の一部の都市では成都からの来訪者に対し、到着地での隔離や退去などを求めたり、ホテルでの宿泊を拒否したりする事例があることを紹介した。また、地域をまたいで移動する場合には、必ず事前に訪問地の検疫機関に制限の有無などを確認するよう注意喚起した。

(王植一)

(中国)

ビジネス短信 31bc19a867993212