11月の自動車販売、新エネ車が通年でプラス転換、2025年に3,000万台へ

(中国)

上海発

2020年12月14日

中国自動車工業協会(CAAM)が12月11日に発表した11月の自動車販売台数は前年同月比12.6%増の277万台になった。4月以降8カ月連続で前年同月比増加となり、5月以降は2桁の増加が続いている。

内訳をみると、乗用車が11.6%増の229万7,000台、商用車は18.0%増の47万2,000台、新エネルギー車は約2倍の20万台となった。新エネ車は7月にプラスに転じて以降、販売台数の回復ぶりが顕著だが、10月と11月は前年同月比2倍という大きな伸びを示した。

1~11月の自動車販売台数は前年同期比2.9%減の2,247万台で依然としてマイナスだが、減少幅は1~10月時点より1.8ポイント改善した。新エネ車は前年同期比3.9%増の110万9,000台とプラスに転じた。

CAAMは、消費刺激策などで国内の経済環境は好転していて市場の需要も回復基調にあるが、国際市場は依然として複雑で厳しく、欧米をはじめとする新型コロナウイルスの第2波による世界経済回復の遅れが中国経済にも影響を与える可能性があるほか、自動車用電子部品向けの半導体供給が滞るなど自動車生産にも一定の影響を及ぼしているとの見解を述べた(2020年12月9日記事参照)。

11日に行われた「2021年中国自動車市場発展予測シンポジウム」でCAAMの付炳锋副会長は、2020年の自動車販売台数は2,500万台を超え、前年同期比で2%以内の減少に収まるとの見通しを述べた(添付資料表参照)。2021年は緩やかな成長傾向を示し、2025年には販売台数が3,000万台に達するとの予測を述べた。付副会長は「中国の自動車産業は2021年から始まる第14次5カ年計画で、電動化やインテリジェント化、コネクテッド化などの変革とレベルアップを経験することで、さらなる発展を遂げる」として自信を示している。

(高橋大輔)

(中国)

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