新型コロナ感染者数が50万人超え、感染対策の徹底が課題
(バングラデシュ)
ダッカ発
2020年12月24日
バングラデシュでは12月20日、新型コロナウイルスの累計感染確認者数が50万713人と、50万人を超えた(世界27位)。累計回復者数は同日に43万7,527人で回復率は約87.4%に達した。合計死者数は7,280人で、1日当たり20~40人ほどの死者が確認されている。バングラデシュ伝染病研究所(IEDCR)によると、地域別感染者は、依然としてダッカ市が中心(全体の30%)で、次いでチョットグラム市(旧名チッタゴン)(6%)が多い。
保健省によると12月19日時点で、新型コロナウイルス患者受け入れ病院の一般病床数1万460床のうち、2,697床が利用されている(空床率74.2%)。集中治療室(ICU)は568床のうち、301床が利用中だ(空床率47%)(添付資料表参照)。
1日当たりの検査数は11月以降はおおむね1万2,000~1万7,000件程度の中、陽性者数は11月下旬に2,500人を超える日もあった(2020年12月4日記事参照)。12月中旬に入って陽性者数、検査の陽性率ともに低下傾向がみられる。累計感染者数の推移をみると、35万人から40万人に達するまで37日間(9月20日~10月26日)、40万人から45万人に至るまで30日間(10月26日~11月24日)、45万人から50万人に達するまで27日間(11月24日~12月20日)と、気温の低下とともに感染拡大のペースは上昇している。
こうした状況を受けて、政府は12月17日、同月19日まで延長していた教育機関の閉鎖を1月16日まで再延長すると発表した。行動規制については緩和措置(2020年9月8日記事参照)が継続されているものの、多くの日系企業駐在員は外出や面談、会食などを制限する方向にあり、感染対策の徹底と感染時の対応が差し迫った課題となっている。外国からのワクチン調達や感染対策に係る技術導入などに関しては、アジア開発銀行(ADB)の経済支援を受けつつ、1月にはインド、英国からワクチンを調達する方向だと報じられている。
(山田和則)
(バングラデシュ)
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