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EU・メルコスールFTAに駐ブラジルEU大使が懸念表明、「アマゾン評議会」には期待示す

(メルコスール、ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、EU)

米州課

2020年12月14日

駐ブラジルEU大使のイグナシオ・イバニエス氏は「ブラジル政府がアマゾン森林破壊問題に対して関与を行わなければ、EU・メルコスールFTAは前進しないだろう」と述べた。12月8日付の現地紙「メルコプレス」が報じた。

EU・メルコスール間の自由貿易協定(FTA)は2019年6月に政治合意に達したが、現時点で署名はまだ行われていない。メルコスール向けに特に自動車産業などで輸出競争力のあるドイツのアンゲラ・メルケル首相が、ブラジルのアマゾン熱帯雨林の伐採問題などを背景に同FTAに批判的な姿勢を示すなど、進展には暗雲が立ち込めている(2020年8月28日記事参照)。

ブラジル国立宇宙研究院(INPE)は12月3日、2019年8月~2020年7月のアマゾン森林伐採面積が前年同期比9.5%増の1万1,088平方キロと発表した。衛星による法定アマゾン森林伐採監視プロジェクト(Prodes)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの下で計測しており、ブラジル連邦政府の公式統計となる。今回の森林伐採面積は、1万2,911平方キロを記録した2008年に次ぐ規模となる。2008年以降、面積は減少傾向で2012年には4,571平方キロまで低下したが、その後は反転して増加傾向にあった。

一方で、イバニエスEU大使は「メルコプレス」紙のインタビューの中で、ブラジルのハミルトン・モウラン副大統領が議長を務める「アマゾン評議会」の創設は評価している。

ブラジル政府は2020年1月、政府公式ウェブサイトで、アマゾン熱帯雨林の保護と持続可能な開発の両立を目指す目的で、「アマゾン評議会」の設立を発表した。創設に当たってリカルド・サレス環境相は、違法なアマゾン森林伐採を減らすために省庁間で連携しながら、「土地の規制、生態系サービスに対する支払い(PES、注1)、生物経済(バイオエコノミー)」の観点から取り組む、と述べている。

また、ブラジル中央銀行は2020年9月、金融機関を対象に定期的に実施しているストレステスト(注2)で「社会・環境リスク」や「気候リスク」を重視することを発表している。

(注1)大気や水質の浄化・保持機能といった重要な価値があるものの、市場での貨幣評価がなされていないために、生態系の過剰使用や劣化が起き、環境問題が引き起こされる要因となっていることを背景に、環境の持つそのような価値を市場に内部化するべく、環境サービスを受ける受益者がその受益に応じて支払いをする制度や仕組みを構築することで、環境の使用を適正化しようという考え方。

(注2)金融機関における次世代のリスク管理手法で、市場暴落や自然災害といったストレス事象を念頭に損失規模を評価するリスク評価手法のこと。

(辻本希世)

(メルコスール、ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、EU)

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