GCC各国でファイザー製ワクチンの接種開始

(中東、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、バーレーン、クウェート、カタール、オマーン)

ドバイ発

2020年12月28日

湾岸協力会議(GCC)加盟諸国では相次いで、使用を認可していた米国ファイザーとドイツのビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスワクチンの接種が開始された。12月17日のサウジアラビアを皮切りに(2020年12月21日記事参照)、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ(23日)、カタール(23日)、オマーン(27日)、クウェート(27日)でそれぞれ始まった。

いずれも国籍を問わず居住者は無料で接種可能としており、高齢者や特定の基礎疾患を持つ者、感染予防・治療などの最前線の従事者など、高リスクのグループに対して優先的に接種を進めている。高齢者の年齢設定は国によって異なるが、カタールでは2021年1月31日までの第1段階では「70歳以上」としており、国内最初の被接種者は79歳のカタール大学前学長だったと報じられた。

クウェートでは初回として15万回分のワクチンが到着し、24日に保健相らによる試験接種を経た後、医療従事者などを対象とした接種が27日に開始された。2021年は年間を通して毎月追加のワクチンが到着する予定とし、段階的に接種を進める計画だ。

UAEとバーレーン、ファイザー製と中国シノファーム製がそれぞれ接種可能に

UAEでは、アブダビを中心に中国シノファーム製ワクチンの接種が行われている(2020年12月11日記事参照)が、保健予防省は12月22日、新たにファイザー・ビオンテック製ワクチンの緊急接種を認可し、翌23日にはドバイで接種が始まった。第1段階では60歳以上の高齢者、持病や障害のある者、最前線の医療従事者などが対象で、市内の保健所で接種が可能となっている。初日は道路交通局のバスドライバーや看護師などが接種を受けたと報じられた。

バーレーンでも、保健省の接種登録ウェブサイトが更新され、27日時点ではシノファーム製とファイザー製から選択できる。当局関係筋の話として、国内で既に4万人がワクチンの接種を受けたとも報じられている(「アラビーヤ」紙12月24日)。

(田辺直紀)

(中東、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、バーレーン、クウェート、カタール、オマーン)

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