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英国政府、外国投資誘致の専門組織を設立

(英国)

ロンドン発

2020年11月16日

英国政府は11月9日、海外から英国への投資誘致を促進するための新組織「投資局(Office for Investment)」を設立したと発表した。同組織は、政府の主要な優先事項である温室効果ガス(GHG)の純排出ゼロ(注)の達成、インフラ投資、研究開発の推進など、英国にとって価値の高い投資を誘致する。投資局の設立は、国際競争が激化する中、高価値でインパクトのある投資を受け入れるため、より体系的なアプローチに基づく支援の必要性について示唆する投資家の声に、政府が応えたもので、英国経済に対し投資が与える効果を最大化することを目指す。多くの戦略的な投資は複雑で、誘致に当たっては、政府と民間が協力して進める必要がある。投資局は、これらの重要な投資の誘致に向けて、法的な制約を含む潜在的な障壁の解決に努め、世界で最も魅力的な投資先となることを目指す。

なお、同組織は、国際通商省(DIT)に拠点を置き、ボリス・ジョンソン首相と財務相の支援の下、ジェリー・グリムストーン投資相が率いる。また、民間と政府間の両方の経験豊富な人員を配置する。

ジェリー・グリムストーン投資相は「『新型コロナ禍』から立ち直るために、外国投資を誘致する取り組みに再び焦点を合わせ、一層の努力をすることにより、生産性の向上、英国全体の経済成長、輸出の増加、研究開発環境の改善を実現する」とコメントした。

英国経営者協会(IoD)のアリー・レニソン上級政策顧問は、同発表に対して歓迎するとし、「貿易と投資は密接に関連しており、英国により多くのビジネスをもたらすことにより、景気回復を支えることが重要だ。さらなる外国投資の機会を拡充するために、政府は、税、貿易、規制の安定した環境を提供し続けることに全力を傾けなければならない」と述べた。

一方で政府は6月、外資による合併・買収について、政府による精査と介入が認められている、公益に反する恐れのある分野に「公衆衛生の危機」を追加し、さらに人工知能、先端素材、暗号化認証技術を扱う企業買収に関し、精査対象となる案件の要件(被買収企業の年商下限)を引き下げている(2020年6月22日記事参照)。また、11月11日には、安全保障上重要分野の買収に関する精査と介入の権限を、大幅に拡大する法案を議会に提出した(2020年11月16日記事参照)。安全保障など重要分野では不当な参入を阻止しつつ、英国に有益な投資については、投資局などを通じて一層、誘致に力を入れる考えだ。

(注)人間の活動によって排出される温室効果ガス(GHG)の量を、森林などで吸収されるレベルにまで抑えること。

(宮口祐貴)

(英国)

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