住宅・不動産市場、回復基調へ

(インド)

ムンバイ発

2020年11月17日

新型コロナウイルス感染拡大を受けた3月のロックダウン以降、低迷を続けていたインドの住宅・不動産市場の回復が目覚ましい。ロックダウンの段階的解除が進むにつれ、これまでの反動で住宅販売戸数などが大幅な伸びを見せている。また、金融機関も住宅市場の伸びを受け、貸し出しを増やしている。移動制限や在宅勤務の長期化・恒常化といったウィズ・コロナ時代の市場ニーズを受けて、これまでに見られなかった新たなプロジェクトもインド各地で始まっている。

インド不動産サービス大手アナロック・プロパティー・コンサルタンツによると、主要都市の2020年第3四半期(7~9月)の住宅販売戸数は第1四半期(1~3月)の水準に戻りつつある。デリー都市圏やハイデラバード、コルカタでは第3四半期の販売戸数が第1四半期を上回った(「タイムズ・オブ・インディア」紙9月30日)。特に、マハーラーシュトラ州では不動産登録印紙税を減額した影響もあり、9月の不動産売却登録件数は11万9,834件で、8月の8万2,100件から大幅な増加となった。9月の登録件数は1月の11万6,647件を上回り、2020年で最高となった(同紙10月2日)。

この好況を受け、インドの金融機関は比較的安全な住宅ローンを取り込むため、金利引き下げ合戦の様相を呈している。(同紙11月4日)。民営大手コタック銀行はわずか1カ月の間に住宅ローン金利を2度引き下げて6.75%としており、他の銀行もおおむね住宅ローン金利水準を6.8%~7.0%に設定している。

写真 高層住宅の開発が進むムンバイ郊外ポワイ地区(ジェトロ撮影)

高層住宅の開発が進むムンバイ郊外ポワイ地区(ジェトロ撮影)

住宅整備プロジェクトでも、ロックダウンの長期化やそれに伴う在宅勤務の浸透・恒常化に伴い、大手不動産デベロッパーは都市圏郊外に在宅勤務に適した住環境の住宅プロジェクトを進めるなど新しい動きを見せている。同様の理由からオフィスの縮小が図られ、それに対応すべく、共用オフィス(コワーキング・スペース)の需要が高まっており、外資による投資も見られ始めている。

ロックダウンの反動による各セクターの需要回復が目覚ましい中、雇用や調達面で特に裾野の広い住宅・不動産セクターの推移に注目が集まっている。

(比佐建二郎)

(インド)

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