2020年第3四半期の貿易収支は23億8,500万ドルの黒字

(チリ)

サンティアゴ発

2020年11月30日

チリ中央銀行が11月23日に発表した資料によると、2020年第3四半期(7~9月)の貿易(通関ベース)は、輸出(FOB)が前年同期比0.9%増の172億1,400万ドル、輸入(CIF)が17.3%減の148億2,900万ドルで、貿易収支は23億8,500万ドルの黒字になった。

輸出を品目別にみると、全体の6割を占める鉱産物は、前年同期比11.3%増の103億4,300万ドルだった(添付資料表1参照)。銅は、主な輸出先である中国の需要回復により、9.3%増となった。第3四半期の銅の国際価格の平均は、1ポンド=2.96ドルで、前年同期と比べ12.5%増加している。

農林水産物は、前年同期比10.7%減の9億3,500万ドルだった。主に果物の輸出減によるもので、リンゴは3.1%減、アボカドは76.7%減となった。一方で、キウイは全体に占める割合は0.5%と少ないものの、前年同期比で13.7%増加している。

工業品は、前年同期比11.8%減の59億3,600万ドルだった。サーモンは、主な輸出先の米国(構成比:47.0%)、ブラジル(11.6%)、日本(9.1%)、ロシア(9.1%)でいずれも減少したため、20.2%減となった。ボトルワインは、4.3%増でブラジルと英国向けが好調だった。

輸入を品目別にみると、中間財は、前年同期比18.1%減の72億6,600万ドルだった(添付資料表2参照)。エネルギー製品は、石油、ディーゼルともに大幅に減少したため、40.5%減だった。消費財は、20.6%減の41億7,100万ドルで、自動車の輸入が63.6%減と最も減少幅が大きく、衣類や履物もそれぞれ26.4%減、37.7%減だった。資本財は、10.8%減の33億9,200万ドルで、トラック、牽引車、その他の機械の輸入が減少したが、モーター、発電機、変圧器は約3倍に増加した。

輸出を主要地域別にみると、アジア向けが58.6%を占め、国別では中国(構成比:39.9%)、米国(12.5%)、日本(8.0%)の順(添付資料表3参照)。米州と欧州向けは前年同期比で減少する一方、アジア向けは中国、日本、インド向けの銅の輸出が好調だったため、9.5%増となった。

輸入を主要地域別にみると、米州からが41.6%を占め、国別でみた上位3カ国は中国(構成比:29.6%)、米国(16.9%)、ブラジル(7.0%)の順。米国からは主に石油関連のエネルギー製品が、ブラジルからは石油および歴青油や牛肉の輸入が減少したため、それぞれ前年同期比で大幅減となった。

(岡戸美澪)

(チリ)

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