大企業から小規模企業への代金支払い報告、2021年1月から義務付け

(オーストラリア)

シドニー発

2020年11月12日

オーストラリア連邦政府は11月9日、大企業から小規模企業への代金支払いに関する報告を義務付ける新たな制度を導入すると発表した。大企業の支払い慣行に対する透明性を高め、小規模企業への支払い遅延を改善する狙いがある。

「支払い期間報告制度(Payment Times Reporting Scheme)」は、年間売上高1億オーストラリア・ドル(約76億円、豪ドル、1豪ドル=約76円)以上の大企業などを対象に、取引先となる小規模企業への支払い条件や支払い時期に関する情報について、年2回のオンライン登録を義務付けるもので、2021年1月1日から運用を開始する。報告の対象となる小規模企業を確認するためのオンラインツールも提供する。情報を登録するポータルサイトや、小規模企業の確認ツールは、2020年12月から稼働予定だという。

同制度では、運用を担当する規制当局が置かれ、2021年12月までの最初の1年間を移行期間として対象企業へ指導を行う。移行期間終了後は、虚偽または誤解を招く報告を行った企業や報告を怠った企業に対して、監査の実施を要求したり、民事罰を科したりする権限を行使するという。

ミケイリア・キャッシュ雇用・技能・小企業・家族経営企業担当相は「支払い遅延によって小規模企業のキャッシュフローが悪化しており、新型コロナウイルス感染拡大の影響によってビジネスが打撃を受ける中、その改善はますます重要になっている」と強調した。

なお、対象企業の条件や登録方法などは、運用開始までにガイドラインが公表される予定だ。詳細は産業・科学・エネルギー資源省のホームページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認を。

(住裕美)

(オーストラリア)

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