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新型コロナによる航空業界への打撃、第二次大戦後最悪の落ち込みに

(世界)

国際経済課

2020年11月27日

国際航空運送協会(IATA)は11月24日、2020年のRPKs(有償旅客数に輸送距離を乗じたRevenue Passenger Kilometers:旅客キロ)が、新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の影響により、前年比で66.3%減少するとの予測を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

IATAの年次報告書PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によれば、2020年のRPKsは第二次世界大戦後最大の落ち込みになると見込みだ。地域別では、アジア大洋州が前年比62.0%減、中南米が64.0%減、北米が66.0%減、欧州が70.0%減、アフリカが72.0%減、中東が73.0%減と見込む。また、航空輸送業全体の損失額は1,185億ドルに上るとした。IATAは、航空輸送業界が最も打撃を受けたのは第2四半期(4~6月)としつつも、下半期の回復は鈍く、航空旅行市場における旅行制限は引き続き収益を押し下げる、と指摘している。

分野別にみると、国際航空貨物については、CTKs(実際の貨物輸送量を表すCargo Tonne Kilometers:貨物トンキロ)は4月に前年同月比で約4分の1減少したが、その後に回復し、9月までに8%減(注1)となった。ただ、国際航空貨物は旅客輸送用機器の飛行禁止や、従来、貨物容量の大部分を占めていたワイドボディ機での長距離旅客輸送の回復が緩やかなことによる容量不足(注2)が課題となっている。9月の航空貨物容量は前年同月に比べ25%少ない水準になっている。

また、国際航空旅行は、新型コロナの打撃を特に強く受けた。国際航空旅行のRPKsは2020年2月に減少をはじめ、4月には前年同月比98%減となった。世界全体の国際航空旅行のRPKsは、2020年9月時点でもなお89%減と低い水準が続いている。

他方、国内航空旅行のRPKsは、4月(前年同月比87%減)に底を打って以降、新型コロナの封じ込めや各地域で国内旅行が再開するのに伴い、回復をみせている。ただ、国内航空旅行については、国ごとに回復の程度が異なる。中国は、2月に底打ちしたのち回復を続け、9月までに新型コロナ発生以前の、前年同月比3%以内の水準にまで持ち直した。ロシアは、観光客の国外流出が生じなかったことなどから、夏後半には国内航空旅行市場はほぼ回復した。その一方、オーストラリアの国内航空旅行RPKsは、9月時点で前年同月比89%減と停滞が続いている。また、世界最大の国内航空旅行市場である米国は、新型コロナの第2波、第3波の影響を受け、回復の足踏みが続いている。

(注1)月次のRPKs変化率については、年次報告書内に小数点以下の記載がない。

(注2)IATAによると、通常、貨物の半分近くは旅客輸送用の機器に積み込まれて輸送される。

(柏瀬あすか)

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