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英中銀、経済下支えで量的緩和の拡大措置を発表

(英国)

ロンドン発

2020年11月10日

英国のイングランド銀行(中央銀行)は11月5日、国債などの買い入れによる量的金融緩和策の拡大を発表した。買い入れ規模を1,500億ポンド(約20兆4,000億円、1ポンド=約136円)増額し、残高目標を8,950億ポンドに引き上げることを全会一致で決定した。なお、これには社債買い入れ枠が含まれており、これは200億ポンドを継続する。新型コロナウイルス感染拡大の影響で経済が深刻な打撃を受ける中、大規模な金融緩和を継続することで経済の下支えをする考えだ。

英国で感染拡大が最初に深刻化し、ロックダウンなどによる市場の混乱が本格化した2020年3月に、イングランド銀行は緊急の利下げに加えて、2,000億ポンドの量的緩和を発表(2020年3月23日記事参照)、同6月にも1,000億ポンドの追加緩和に踏み切っていた。なお、政策金利引き下げは今回、見送られており、過去最低の年率0.1%で据え置かれた。

公的債務残高はGDP比100%を超過

国民統計局(ONS)が10月21日に発表した統計外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、9月の公的部門(注)における借入金額(公的金融機関・銀行による借り入れを除く)は361億ポンドとなり、集計を開始した1993年以降、単月としては3番目に多い金額になった。また、4月からの半年間の借入金額は2,085億ポンドと、1993年以降の最高を記録し、前年同期比で約6倍にまで膨れ上がった。これは、新型コロナウイルス感染拡大を受けた政府の経済対策が主因となっており、2020年9月までの借入金は、一時帰休従業員への給与給付制度(CJRS)や個人事業主への所得支援制度(SEISS)だけで598億ポンドを計上している。さらに、9月末時点の公的債務残高は2兆597億ポンドとなり、GDP比では1960会計年度末以降で最高の103.5%まで上昇した。

政府は、11月5日からイングランド全土で再び4週間にわたるロックダウンを開始することを踏まえ、10月31日に、同日に終了予定だったCJRSを12月まで延長すると発表(2020年11月2日記事参照)。しかし、イングランドのロックダウン終了後も確実な雇用支援策を実施するよう求める声に押され、11月5日にはCJRSを2021年3月末まで延長すると発表し、SEISSの給付率も引き上げた。雇用不安を低減させる一方で、財政負担は大幅に増加することになる。

(注)中央政府、地方自治体、公的非金融法人、公的年金、イングランド銀行、公的金融法人(または公的銀行)。

(尾崎翔太)

(英国)

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