中小企業向け融資制度を3年延長

(ニュージーランド)

シドニー発

2020年11月10日

ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相は11月9日、新型コロナウイルス関連の支援策のうち、2020年末に申請期限を迎える中小企業向けの融資制度を3年間延長すると発表した。11月6日に発足した新内閣(2020年11月4日記事参照)による最初の決定事項となった。

同制度は、フルタイム従業員50人以下の企業を対象に、1万ニュージーランド・ドル(約72万円、NZドル、1NZドル=約72円)に加えて、フルタイム従業員1人当たり1,800NZドル(最大10万NZドル)を年利3%、返済期間5年の条件で利用することができるもので、1年以内に返済した場合は無利子となる。5月12日の制度開始以降、これまでに10万社近くの企業が同制度を利用し、総額16億NZドルの融資を受けたという。ただし、新型コロナウイルス感染拡大による経済への影響は長引く可能性が高いことから、同制度の実施期間を2023年12月31日まで延長するとともに、無利子期間を2年間に延長することを決定した。

アーダーン首相は「経済回復は政府の優先事項で、中小企業支援は経済回復の中心となる」と強調した。そのほか、クリスマスまでに取り組む主要施策として、失業者の雇用支援制度の拡充、インフラ整備事業の迅速な承認、米国、中国、EU、英国などの主要市場への輸出促進を挙げた。

総選挙結果が確定、労働党は65議席に

ニュージーランド選挙管理委員会は11月6日、10月17日に実施された議会総選挙(2020年10月19日記事参照)の最終結果を発表した。獲得議席数は、与党・労働党が暫定結果から1議席追加して65議席となり、マオリ党も1議席追加して2議席になった。他方、最大野党・国民党は、暫定結果から2議席減って33議席となった。

同委員会はまた、議会総選挙と同時に実施された、安楽死の合法化および嗜好(しこう)用大麻の合法化について賛否を問う国民投票の最終結果を発表した。安楽死の合法化については、賛成が65.1%、反対が33.7%で賛成多数となり、2021年11月に施行されることになった。また、嗜好用大麻の合法化については、反対が50.7%で、賛成の48.4%をわずかに上回って否決された。

(住裕美)

(ニュージーランド)

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