フォルクスワーゲンとボッシュ、四川省での新エネ車やコネクテッドカー事業拡大

(中国、ドイツ)

成都発

2020年11月26日

中国四川省政府は11月18日、投資誘致プロモーションイベントの関連イベントとして「四川省新エネ・智能網聯汽車産業交流会」(以下、交流会)を成都で開催した。

四川省経済合作局の易暘副局長は同省の自動車産業の現状について、新エネ車の2019年の生産台数は3万2,000台だったが、現在の生産能力は年間10万台、充電スタンド数は3万2,000台を超えたと説明した。自動車産業の発展の方向性として、(1)新エネ車の開発・生産、(2)水素エネルギーを燃料とする燃料電池車、燃料電池などの開発・製造、(3)コネクテッドカーの開発と普及の3点を挙げ、同省は豊富な水資源と水力発電による電力インフラ、物流ネットワーク、自動車や機械などの産業基盤に強みを有するとして、外国企業と国内企業に同省への投資や省内企業との事業協力、技術連携を呼び掛けた。

フォルクスワーゲン(中国)投資の葉文総監は、同社が2020年5月に20億ユーロを投じて中国国有自動車大手の江淮汽車集団(JAC)、バッテリーサプライヤーの国軒高科と相次いで提携したことを紹介。四川省では、フォルクスワーゲン傘下の開邁斯新能源科技が2020年中に同省内の充電ステーションを127カ所、2021年までに275カ所まで増やすと述べた。

また、ボッシュ(中国)投資の蒋健総裁は、センサーなどシャーシコントロールシステム部品を生産する工場を蘇州から成都に移転する計画を表明。同省におけるコネクテッドカー向けの供給体制の整備を進めるとした。

水素エネルギーに関しては、四川省は9月21日に「四川省水素エネルギー産業発展計画(2021-2025年)」を発表。同省の豊富な水資源を生かし、水素エネルギーを燃料とする燃料電池車、燃料電池などの開発・製造および普及を強化していく方針を示した(2020年9月28日記事参照)。

交流会前日の17日に成都で行われた四川省政府と国有企業の協力発展座談会では、中国電力大手の華能集団の鄧建玲総経理が水の電気分解による水素生産のモデルプロジェクトを成都で行う計画を発表した。プロジェクト完成後、水素の年間生産量は4,286万トンになるといわれる。

(王植一)

(中国、ドイツ)

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