150億ユーロの企業支援措置を発表

(フランス)

パリ発

2020年11月04日

フランスのブリュノ・ル・メール経済・財務・復興相は10月29日、新型コロナウイルス感染の再拡大を受けた移動制限措置の再導入(2020年10月30日記事参照)に伴う企業支援の強化措置を発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。連帯基金支援金(約60億ユーロ)と一時帰休制度(約70億ユーロ)、社会保険料免除(10億ユーロ強)、家賃(賃料)支援(10億ユーロ)と合わせて、1カ月で150億ユーロ相当の支援を行う。

連帯基金支援金は、行政措置により休業を余儀なくされた従業員数50人未満の全ての企業に対し、最大で月額1万ユーロの支援金を支給する。観光・イベント・スポーツ・文化関連セクターに対しては、休業しない場合でも従業員数が50人未満で、「新型コロナ危機」の影響で売上高が50%以上減少した企業について、最大で月額1万ユーロを支給する。その他のセクター向けには、従業員が50人未満で売上高が50%以上減少した企業に最大で月額1,500ユーロの支援金を支給する。対象となる企業数は全体で約160万社に上るとみられる。

社会保険料の支払いについては、行政措置により休業を余儀なくされた従業員50人未満の全ての企業に対し全額免除する。観光・イベント・スポーツ・文化関連セクターでは、営業を継続している場合でも売上高が50%以上減少した企業に全額免除する。移動制限措置の再導入以前に社会保険料の支払い猶予の対象となった企業でも、場合によっては免除を求めることができる。

公的保証融資は、これまで既に融資申請期限を12月末から2021年6月末に延期していたが、返済開始をさらに1年先送りし、返済義務のない期間を融資開始から2年とすることが可能になる。公的保証融資を受けられない企業に対しては、国が直接貸し付ける。従業員10人未満の企業には最大で1万ユーロ、従業員数10人から49人の企業には最大で5万ユーロ、従業員が50人以上の企業は売り上げの3カ月分を上限に融資する。

企業の家賃(賃料)支援として、2021年予算法案に貸し主による家賃放棄を促す税額控除を盛り込む。従業員250人未満で、休業を余儀なくされた、または宿泊・観光・レストラン業に属する企業の10月から12月分までの家賃のうち、1カ月分でも家賃を放棄した貸し主に対し、放棄した家賃の30%に相当する額の税額控除を認める。家賃支援措置は連帯基金支援金と並行して利用できる。

(山崎あき)

(フランス)

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