上海市など全国10カ所に輸入貿易の促進・イノベーションモデル区を新設

(中国)

北京発

2020年11月11日

中国の商務部、国家発展改革委員会、財政部など9部門は11月3日、上海市など全国10カ所に「輸入貿易の促進・イノベーションモデル区」を新設すると発表した。

10カ所のモデル区は、上海市虹橋商務区、遼寧省大連金普新区、江蘇省昆山市(蘇州市管轄下の県級市)、浙江省義烏市(金華市管轄下の県級市)、安徽省合肥経済技術開発区、福建省アモイ湖里区、山東省青島西海岸新区、広東省広州南沙区、四川省天府新区、陝西省西安国際港務区となっている。モデル区の機能としては、「貿易の促進」(輸入、産業、消費の促進)、および「貿易のイノベーション」(政策、サービス、モデルのイノベーション)の2つが示されている。

商務部対外貿易司の李興乾司長は「この10カ所のモデル区は、東部、中部、西部および東北地域の旧工業基地をカバーし、中国の輸入発展の原動力および潜在能力を表している」と説明し、今後3~5年をかけて、革新的な管理監督制度を備え、サービス機能が整い、柔軟な取引モデルが運用される輸入モデル区を育成することで、中国の輸入規模の拡大と輸入構造の持続的な最適化を推進していく方針を示した。

また、李司長は「新たな高いレベルの対外開放を目指すため、商務部はこれから一連の政策措置を実施し、先端の技術・設備・サービスの輸入拡大を推進し、民生改善につながる製品の輸入および輸入の新業態の発展を支援し、輸入製品の販売モデルを最適化し、管理監督のレベルを引き上げる」と強調した(「新華社」11月4日)。

WTOの統計によると、2020年上半期における中国の輸入額は世界全体の11.3%を占め、その構成比は前年同期比0.8ポイント上昇して過去最高となっており、中国の輸入が世界経済の回復を促進する役割が高まっている(「経済日報」11月5日)。

北京師範大学経済工商管理学院の魏浩教授(国家輸入研究センター主任)は「中国市場には新製品、新技術、新サービスに対する巨大な潜在ニーズがある。高品質な製品の輸入拡大は、国内市場の競争環境の変化を通じて中国企業のグレードアップを促し、製品の品質向上や供給ラインアップの増加をもたらすため、国内消費のグレードアップにも寄与するものだ」と、高品質な製品の輸入拡大の効果を指摘している(「上海証券報」11月5日)。

(趙薇)

(中国)

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