ラトビア、次世代通信技術5Gに関連するフォーラムを開催

(ラトビア)

ワルシャワ発

2020年11月19日

次世代通信技術の5G(第5世代移動通信システム)に関連する欧州最大のフォーラムの1つ「5Gテクリトリー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が、ラトビアで11月11~12日に開催された。今回で3度目となる同フォーラムは、5G業界の関係者が一堂に会し、5G関連分野での経験や意見を共有・交換する場となっている。5Gの最新動向や導入事例、イノベーション、スマートシティ、プライバシー問題などの5Gに関する多くの課題について、約200人の専門家が100を超える講演やパネルディスカッションを実施した。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、今回はオンラインで開催し、参加者は2,000人を超えた。

パネルディスカッションでは、5G開発に携わるラトビア国内外の有力企業や政府機関がリモートで参加し、現在抱えている5Gに関するプロジェクトや政策について意見を出し合った。2020年9月に、モバイルネットワークを利用してドローンの国境をまたぐ飛行を成功させたラトビアの移動体通信事業者LMTのギンツ・ヤコベル氏は「ドローン飛行におけるモバイルネットワークの役割」と題したパネルディスカッションで、ドローンを飛ばす際に利用する接続方法として既存のWi-Fi接続に対するモバイルネットワークの優位性について語るなど、ドローンの開発が盛んなラトビアならではのテーマもあった。

また、日本からはNTTドコモ・ネットワークイノベーション研究所長の中村武宏氏が登壇し、6Gに関する最新の動向などについて語ったほか、経済産業省商務情報政策局の泉卓也情報政策企画調整官が人工知能(AI)の倫理問題や規制について、政策立案者の立場から意見を交換した。

今回は、オンライン参加者が講演やパネルディスカッションを一方的に聞くだけではなく、オンラインプラットフォームに設置されたチャット機能で参加者同士コミュニケーションを取れるようにするなどの工夫が凝らされた。

写真 パネルディスカッションの様子(主催者提供)

パネルディスカッションの様子(主催者提供)

ラトビアは、2019年7月に5Gの商用利用を開始しており、欧州の中でも5G普及に最も積極的な国の1つだ。5Gテクリトリーはラトビア電子通信局(Electronic Communication Office of Latvia)が国際電気通信連合(ITU)の協力の下で主催するイベントで、ラトビア投資公社(LIAA)やLMTなどが支援している。今回のフォーラムの録画コンテンツは、12月31日まで5Gテクリトリーの公式ウェブサイトから視聴が可能。

(吉戸翼)

(ラトビア)

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