主要経済閣僚を刷新

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2020年11月11日

ロシアで主要経済閣僚が刷新された。ウラジーミル・プーチン大統領は11月10日、エネルギー相、運輸相、天然資源環境相、極東・北極圏発展相、建設・住宅公共サービス相の5つのポストの新閣僚を任命する大統領令に署名した。また、副首相ポストを1つ追加し、エネルギー相だったアレクサンドル・ノワク氏を就任させた。

今回任命された閣僚は添付資料表のとおり。アレクサンドル・ノワク氏、アレクセイ・チュクンコフ氏、イレク・ファイズリン氏が格上げとなったことに加えて、エネルギー相、運輸相には国有企業の代表が登用された。

今回の人事に関して、ドミトリー・ペスコフ大統領府報道官は通常のローテーションの一環と説明。一方、各種メディアは、大統領指示の履行を絶対視するミハイル・ミシュスチン首相が指示内容の実施が遅れている省庁に対して業を煮やしたためと報じている(「コメルサント」紙11月9日)。

今回解任された閣僚のうち、建設・住宅公共サービス相だったウラジミル・ヤクシェフ氏はウラル連邦管区大統領全権代表に転任。天然資源環境相だったドミトリー・コブィルキン氏は与党「統一ロシア」副幹事長への就任が取りざたされている。

閣僚任命に当たっては、7月に行われた憲法改正(2020年7月2日記事参照)と、改憲内容に沿って制定された11月6日付連邦憲法法(注)第4-FKZ号「ロシア連邦政府について」に基づき、ミハイル・ミシュスチン首相による提案後、下院の承認を得て、プーチン大統領が任命する流れとなった。

(注)連邦憲法法とは憲法記載事項に従って制定される法令。

(齋藤寛)

(ロシア)

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