憲法改正草案が第一読会を通過、民間団体案は否決

(タイ)

バンコク発

2020年11月20日

タイの上下両院合同議会は11月18日、憲法改正に関する審議で、民間団体(iLaw)による改憲草案を否決した。他方、与野党が提出した草案は第一読会を通過し、今後も審議が継続される見通しだ。

上下両院合同議会では、17日から民間団体の改憲草案を含む7つの草案外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの審議を行っていた。18日の両院での採決の結果、7つのうち憲法起草委員会設置に関する2案のみを可決し、上院の制度変更に関する草案などについては否決した。

今回可決した憲法起草委員会の設置については、草案を提出した与野党と民間団体の3者ともに同意しているものの、委員の選出方法などで認識が異なる。与党案は、委員定員の200人に対し150人を公選とし、残り50人を法律の専門家や学生などから任命する案を提示したのに対し、野党と民間団体は200人全員の公選を主張している。

今後、憲法改正に関する特別委員会が設置され、第二読会前の審議が実施される。その後、上院における第三読会での承認を経て、憲法改正に関する審議は年内で終える予定だ。民間団体関係者は、われわれの改憲草案は否決されたものの、国会審議の場に上がって議論されたことは意義深い。今後新たな草案を国会へ提出する予定はない、とのコメントを出した(「クルンテープ・トラキット」紙11月19日)。

(岡本泰、ナオルンロート・ジラッパパー)

(タイ)

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