第3四半期の実質GDP成長率、前期比13.3%

(ポルトガル)

マドリード発

2020年11月25日

ポルトガル国立統計院(INE)は11月13日、2020年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを前期比で13.3%と発表した。新型コロナウイルス感染拡大を背景に大幅に景気が後退した第2四半期(4~6月)の同マイナス13.9%から力強く回復した。なお、前年同期比ではマイナス5.7%と、第2四半期のマイナス16.4%から大幅に改善したものの、前年を下回る水準にとどまった(添付資料表参照)。

主要産業の観光業を含むサービス部門、改善みられず

需要項目別にみると、回復を牽引したのは主に内需で、第2四半期の前期比10.8%減から第3四半期は10.1%増と改善した。輸出は第1四半期(1~3月)に前期比6.7%減、第2四半期に37.0%減と大きく減少していたが、第3四半期には38.8%増と回復した。しかし、前年同期比では15.2%減となっており、感染拡大前の水準には至っていない。輸出を牽引しているのは財の輸出で、サービス輸出は依然不調。輸入は第2四半期には前期比29.2%減だったが、26.1%増となった。

内需の回復は第2四半期までのロックダウン(封鎖)解除後、その反動で個人消費が伸びたことが影響し、GDP成長率を10.6ポイント押し上げた。外需も同様、ロックダウン解除により回復傾向を示したが、いずれも感染拡大前の水準には回復していない。

政府は新型コロナウイルス感染の再拡大を受け、11月9~23日の非常事態宣言を再発令し(2020年11月11日記事参照)、一部地域でのロックダウンに踏み切った。これにより、改善に向かいつつあった経済が再び悪化することはほぼ確実とみられる。

(小野恵美)

(ポルトガル)

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