サガスティ大統領、新首相とその内閣を発表

(ペルー)

リマ発

2020年11月19日

ペルーのフランシスコ・サガスティ大統領は11月18日、新たな首相として、2002年にアレハンドロ・トレド政権下で女性社会開発省(現女性脆弱集落省)副大臣を務めた弁護士のビオレタ・ベルムデス・バルディビア氏を任命した。

併せて、ベルムデス首相によって組閣された新内閣の就任宣誓式も大統領府で行われ、外相には外交官で元駐メキシコ・ペルー大使のエステル・エリサベス・アステテ・デ・ロドリゲス氏、経済財政相に元中央準備銀行(BCR)幹部のエコノミストで、現財政評議会議長のワルド・エピファニオ・メンドサ・ベジード氏を起用。保健相には、ビスカラ政権下で同職を担ったピラール・エレナ・マセッティ・ソレール氏が復帰することになった。通商観光相には、元同省観光担当副大臣(2011~2013年)で、ペルー経団連(CONFIEP)の事務局長(2016~2019年)を歴任したクラウディア・エウヘニア・コルネホ・モメ氏が就任。また、辞任したメリーノ前大統領の閣僚(2020年11月16日記事参照)からは、カルロス・フェルナンド・エレーラ・デスカルシィ氏がエネルギー鉱山相として留任する予定だったが、就任式には現れず、動向が注目されている。

その他の閣僚については、添付資料参照。

マーケットは、11月17日のサガスティ大統領の就任後、即座に反応を示し、17日の為替相場はソルが対ドルで前日比1.75%上昇し、同日のJPモルガンの新興国ソブリン債カントリーリスク指標(EMBI)も前日の119ポイントから117ポイントに低下した。多くのエコノミストが、サガスティ大統領の就任が市場に安心感をもたらした、と分析している。

また、米州機構(OAS)のルイス・アルマグロ事務局長は自身のツイッターで、サガスティ大統領の就任を歓迎し、2021年4月11日の大統領選挙に向けて国を牽引していくことに期待を寄せた。OASは、マルティン・ビスカラ元大統領の罷免後の11月11日にペルーでの政治混乱を危惧する事務局コメントを出しており、同罷免の合憲性について憲法裁判所(TC)の判断に委ねるよう促していた。TCは、法務人権省(MINJUS)からの要請を受けて19日に同事案の審議を行うが、多くの憲法専門家は、違憲性が認められたとしても、ビスカラ氏が大統領の座に戻ることはないとみている。なお、OAS加盟国以外からは、世界銀行のカルロス・フェリペ・ハラミージョ副総裁(中南米・カリブ地域担当)や英国政府が新政権への祝辞を発表している。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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