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ベラルーシ初の原発が運転開始

(ベラルーシ、ロシア)

欧州ロシアCIS課

2020年11月16日

ベラルーシの国営原子力公社ベラルーシ原子力発電所(BelNPP)は11月7日、オストロベツ原発の第1号機の運転を開始した。ベラルーシにおける原発稼働は初めて。

オストロベツ原発は、リトアニア国境に近いベラルーシ北西部オストロベツ市近郊に立地。ロシアによる100億ドルの融資をベースに、ロシア原子力公社ロスアトムが建設を進めている。原子炉2基が設置される計画で、総出力量は約2,400メガワット(MW)。敷地面積は100ヘクタールを超え、130軒もの施設が建設されている。

運転を開始した第1号機の発電容量は1,190MWだが、現状40%の出力に抑えられている。今後、段階的に出力を上げていき、2021年第1四半期をめどに商業運転を開始する予定だ。第2号機の商業運転開始は2022年と見込まれており、2基を合計すると年間の総発電量は180億キロワット時に達する。

BelNPPは、オストロベツ原発がフル稼働した場合、年間約45億立方メートルもの天然ガス消費を代替し、5億ドルのガス輸入代金の支出削減につながると強調。さらに、年間700万トン以上の温室効果ガスの排出削減に寄与するとしている。

運転開始に当たり、アレクサンドル・ルカシェンコ大統領がオストロベツ原発を訪問。従業員や建設作業員の前でスピーチを行い「われわれが原発保有国となる歴史的な出来事」と評した。

ベラルーシにとって、オストロベツ原発建設の最大の目的は電力輸出による外貨獲得だが、その先行きは明るくない。BelNPPは、本原発で発電した電力をリトアニア経由でバルト3国をはじめとする欧州諸国へ供給する計画だが、リトアニアが安全性や環境上の問題などを理由として電力購入・受送電を拒絶しているためだ(ベラルーシメディア「UDF.BY」11月10日)。

ベラルーシは、1986年に発生したチェルノブイリ原発事故の被害が最も大きかった国で、国民にはその記憶がしっかりと刻まれている。このため、オストロベツ原発建設計画が立ち上がった際には、国民の間で複雑な感情が沸き上がった。「ベラルーシに原発は不要」と唱える専門家がいる一方で、人々は単に何らかの事故発生を怖がっているだけとの論調もみられている。このため、ベラルーシとロシアの関係者は福島第1原発事故後に設定された最新の安全基準をクリアしている点を強調している(ベラルーシ国営通信社「ベルタ」2013年2月14日)。

(齋藤寛)

(ベラルーシ、ロシア)

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