2021年予算総額は前年比19.2%増、経済再活性めざす

(コロンビア)

ボゴタ発

2020年11月02日

コロンビア議会は10月19日、2021年(1~12月)の一般会計予算を可決した。総額は前年比19.2%増の313兆9,000億ペソ(約8兆4,753億円、1ペソ=約0.027円)で、GDP比27.7%の規模となる。

歳出の内訳は、投資的経費が過去最高の58兆6,000億ペソ、義務的経費などその他の歳出が184兆9,000億ペソ、国債費が70兆5,000億ペソとなっている。投資的経費について、当初予算案では56兆8,000億ペソだったが、審議の過程で組み替えが行われ、1兆8,000億ペソが追加された。これらの予算により、経済再活性、社会プログラム支援、新型コロナウイルス感染拡大により最も影響を受けたセクターへの支援を優先的に実行する。

用途別にみると、最も予算配分が大きいセクターは教育の47兆ペソで、経済的に困窮する若者に対する高等教育へのアクセス支援や、教育施設のインフラ整備を強化する。次いで、国防に39兆ペソ、保険・福祉に35兆ペソ、労働に27兆ペソが割り当てられた。また、インクルーシブネス(社会的包摂)実現のために15兆9,000億ペソが充てられ、幼児期の包括的発展、青少年の保護などに活用される。

ルイス・アルベルト・ロドリゲス国家企画庁長官は予算の成立を受け、政府は、雇用、脆弱(ぜいじゃく)層、農村部、森林保全などの対策に集中的に6,500億ペソを投じる、と述べた。

IMFは2021年の成長率を4.0%と見通す

IMFが10月13日に発表した「世界経済見通し」によると、コロンビアの2021年の成長率予測は4.0%となった。南米平均の3.6%を上回る成長率で、メキシコ(3.5%)やブラジル(2.8%)を超える成長を見込んでいる。

(茗荷谷奏)

(コロンビア)

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